
2020年に長女、2025年3月に次女を出産したタレントの菊地亜美さん。等身大の日々を発信するYouTube「あみちゃんねる」は、ママたちから絶大な人気を得ています。今回はそのチャンネル、そしてとくに大きな反響があったという流産の公表についてもお聞きします。
産後に痔が悪化した話まで(笑)、なんでも話してしまっています
──ご自身のYouTubeチャンネルでは妊娠中から現在まで、子育てやご家族のことを細かに配信されています。自然体というか、そこまで見せちゃうのかと驚くほどで。
菊地亜美さん(以下、菊地さん):自然体すぎますよね(笑)。撮影したあとでスタッフさんに「ここ片付けてなくて汚いので、隠してください」とお願いすることも。先日はふたり目を産んでから痔が悪化した話もしました(笑)。何でも話しちゃっていますね。
──どんな思いで配信されているのでしょうか?
菊地さん:「実はご報告があって」という改まった感じではなく、夫や友達に話すような日常として「ねぇ、痔になっちゃったんだけど!」と。ママ友と話しているような感覚なんですよ。テレビではわざわざ言わないけれど、家で撮っているYouTubeだと自然と話しちゃうというか。
──視聴者の皆さんからのリアクションもありますしね。
菊地さん:そうなんですよ。私は自分の名前で顔を出して話をしているけど、みんなは匿名だからこそ「私も痔です」「あるあるですよ」なんてバンバン返ってくるので、そこで気持ちを分かち合えるのが楽しいです。
──これまでとくに反響が大きかった動画は?

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リアルなママ友にも言われるんですよ。最初は“芸能人としての私には興味がないんだろうな”と思っていたのですが、先日「そういえば私、妊娠中に亜美ちゃんのYouTubeをすごく観てた」と言われて。知り合って1年半経っているのに、“え、今さら?”と(笑)。
「亜美ちゃんの大ファンで、全国のイベントに行っています!」と熱烈に応援してくださる方はもちろんうれしいですが、今は「ママ友のひとり、一緒に子育てしている同志」みたいに思ってくれるといいなというのがあって。それくらいの距離感でいてくれる方が多いことが、今とてもうれしいです。
流産、妊活についての話は自分が想像する以上の反響が……
──二度の流産を公表された「妊活について」の動画も反響が大きかったと思います。
菊地さん:すごく反響がありました。1年近く前の動画なのに、つい先日も数件のDMをいただきました。「YouTubeにコメントを残すのは恥ずかしいのですが、お伝えしたくて」という声も、いまだにすごく多いです。
──なぜ公表されようと思ったのですか?

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──配信後、心境の変化はありましたか?
自分の中ではもうクリアになっているので話したのですが大きな反響をいただき、それを受けてから“話してよかったな”と思えました。
「流産をして落ち込んで、どうして自分だけがこんな目に遭うのだろうと思っていました。でも、私も数年後に経験のひとつだったと思えるようになれたらいいなと、前を向けました」「流産が続いて心が病んでいたけど、亜美ちゃんが子どもと遊んでいる姿を見て、こんな未来が待っているなら頑張ろうと思いました」とか。
動画を出した時点では自分が話せるようになったひとつの経験を伝えた、くらいの感覚だったのですが、そうした声をいただいてから話したことは本当によかったなと。それで誰かの気持ちが楽になったり、頑張ろうと思ってくれるならすごくうれしいことだなって。
──動画の中では妊活に苦労している方など、様々な状況の方に配慮した言葉選びをされていましたよね。
菊地さん:私のひとつの経験よりも、ずっと高度で大変な不妊治療をされている方もいらっしゃるわけで。そういう方からすれば「そんなの不妊治療とは言えない」と思うだろうし、実際わずかですがそうした声も届きました。ただ、不妊治療中はどうしてもそうしたメンタルになりがちだし、辛いときに思わず言いたくなっちゃったのかな……と。意味もなく私を叩いているわけではないし、そう言いたくなる気持ちも想像できますし。
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菊地さん:そうなんですよね……。なので、そうしたお声も受け止めようと思いました。
あと、YouTubeにコメントを残してくださった方も多いのですが、そこで視聴者の方同士が話し合っているのもいいなと思いました。妊娠中や不妊治療中はたくさん情報を集めたいし、ネット検索魔になってしまうじゃないですか? 見なきゃよかったのに、つい検索しちゃうとか。そんな中でリアルに会話できる場が作れたのは、よかったなと思います。
──今後の配信も、これまでと同じ自然体のスタイルで?
菊地さん:そうですね! 以前は街を歩いていると「テレビで観てます」と声をかけられましたが、最近は「YouTube観てます!」が増えました。「夫と一緒に観ています」という方も多くて、ダンナさん側から声をかけてもらうことも。仕事場でタレントさんに、「うちの妻が観ていて。もう何度も共演しているのに、今さら亜美ちゃんにすごく詳しくなったよ」なんて言われたりもします(笑)。
臆することなく見せてくれる、配信でのざっくばらんな姿。亜美さんをママ友のひとりと認識してしまう気持ちもよくわかります! さて、次回は最終回。アイドルとして10年ぶりに立ったステージのこと、プロデュースするイベントなどについて伺います。
取材、文・鈴木麻子 撮影・中村彩子 編集・編集部