オルツ前社長「知らない」と否認=粉飾決算、逮捕前の任意聴取に―東京地検

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2025年10月10日 15:01  時事通信社

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時事通信社

東京地検=東京都千代田区
 人工知能(AI)開発会社「オルツ」(東京都港区)の粉飾決算事件で、金融商品取引法違反(有価証券報告書の虚偽記載など)容疑で東京地検特捜部に逮捕された前社長日置友輔容疑者(34)が、逮捕前の任意聴取に「事実は違う。知らない」と容疑を否認していたことが10日、関係者への取材で分かった。

 特捜部は逮捕した旧経営陣4人の認否を明らかにしていない。証券取引等監視委員会と連携し、事件の全容解明を進める。

 取締役最高財務責任者(CFO)だった日置容疑者は元社長米倉千貴容疑者(48)らと共謀し、2024年9月と25年3月、架空の売上高を計上した有価証券届出書などを関東財務局に提出したとして逮捕された。重複を除いた水増し額は、24年12月期までの3年間で約111億円に上るとされる。

 オルツは昨年10月に東証グロースに上場したが、今年4月に粉飾決算疑惑が浮上。第三者委員会は7月に公表した報告書で、実態のない架空の取引を繰り返す「循環取引」で売り上げを過大計上していたと指摘した。各期の売上高のうち最大9割が過大計上だったという。

 4月に監視委が金商法違反容疑で関係先を調査し、特捜部も同社関係者から任意聴取するなど捜査を進めていた。

 創業者の米倉容疑者は7月に辞任し、日置容疑者が後任の社長となったが、9月に退任した。オルツは8月に東京地裁で民事再生手続きの開始が決定し、上場廃止となった。 
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