デジャヴかのように、元彼と今彼の言動が被ることはありませんか?「このレストラン、前に行ったことある」とか「彼のそのセリフ、前にもどこかで聞いたな」とか。
今回話を聞いた女性も、そんな経験をした一人です。
◆父親の影響で野球が好き
話を聞いたのは、大手企業に勤めている坂川櫻子さん(仮名・28歳/事務職)。父親の影響で小さい頃から野球好きです。
「うちは父が熱狂的なジャイアンツファンなんですよ。なので、私も物心ついた頃からよくプロ野球の試合を観戦しに行っていました」
当たり前のように地元の少年野球チームに所属し、男子の中で元気に声を出していた櫻子さん。高校では野球部のマネージャーとして活躍したそう。
「野球ありきの青春時代でした。だから、就職して野球チームがあると知った時は嬉しかったですね。試合があると、いつも応援に行っていました」
◆試合後の打ち上げに呼ばれる
試合の度に応援に来てくれる櫻子さんの存在は、野球チームにとっても大きかったようで。その内、野球の試合応援に行く櫻子さんは、試合後の打ち上げにも誘われるようになっていきます。
「試合の後、選手たちは近くの居酒屋で飲みながら反省会をしていたんです。まさか私に声を掛けてくれるとは、最初は驚きましたね」
毎試合、選手たちとの反省会に参加している内に、個人的に連絡先を交換。数人からデートに誘われるようになったそうです。
◆部員とのデートも楽しむように
「野球の話ができるから、選手たちも私と話すのが楽しいみたい。『今度、おごるから食事に行かない?』と誘われることが多かったですね」
昔から、男性に囲まれながら過ごしてきた櫻子さん。デートも誘われると即OKして楽しんでいたんだとか。
「食事をおごってくれて、好きな野球の話ができるのは嬉しいですよね。私は特定の人が好きなわけではないので、誘われるとついていっていました」
昔から恋愛にうとい櫻子さん。今は恋人を作る予定はありませんが、いろいろな男性と楽しく過ごしたいといいます。
◆デートコースが、デジャヴ!?
こうして何人かの男性とデートしてきた櫻子さんは、デートの最中にたびたび、デジャヴのような体験をしたそうです。
「食事は、お肉料理に連れていってもらうことが多くて。その後に、バッティングセンターに行くんですよね、そこからの『ちょっと休憩しない?』の流れ(笑)」
肉料理で元気をつけて、バッティングセンターで「俺が打つかっこいい姿」を見せるデートコースが定番だったんだとか。
「最初は、“あ、またこの流れだ”と思っていたんですが、その内、お決まりのデートコースに私が飽きてしまって。私から、『今日はお寿司が食べたい』とか『水族館に行こうよ』とか提案するようにしました」
思いきって聞いてみると、チーム内で女性をどうやって口説くのがいいか、どのホテルが使いやすかったかなど情報交換や作戦会議をしていたそう。
「お互い、デート相手が誰かってことは話していないんだろうなと思いました。だって数人のデートの相手は私だから」
そう言って笑う櫻子さんは、野球少年のようなちょっとヤンチャな顔をしていました。デート相手が櫻子さんだとわかったとき、どんな展開になるか少し心配ですね……。
< 取材・文/maki イラスト/ズズズ@zzz_illust>