流産してしまった人が犯罪者扱いに?アメリカ大統領選 中絶の権利巡って「男女間にあらたな分断」発生

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2024年11月02日 07:00  TOKYO FM +

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流産してしまった人が犯罪者扱いに?アメリカ大統領選 中絶の権利巡って「男女間にあらたな分断」発生
ジャーナリストでZ世代専門家のシェリーめぐみがパーソナリティを務めるinterfmのラジオ番組「NY Future Lab」(毎週水曜日18:40〜18:55)。ジャーナリストでZ世代専門家のシェリーめぐみが、ニューヨークZ世代の若者たちと一緒に、日本も含め激動する世界をみんなで見つめ、話し合います。社会、文化、政治、トレンド、そしてダイバーシティからキャンセルカルチャーまで、気になるトピック満載でお届けします。

10月30日(水)のテーマは「最後は女と男の戦い 大統領選でZ世代が激しくジェンダー分断する理由とは?」。「NY Future Lab」に所属するアメリカZ世代が、アメリカ大統領選における男女の分断について意見交換しました。


※写真はイメージです



◆中絶の自己決定権を奪うトランプを女性は支持しない

日本では衆議院の解散・総選挙があっという間に終わり、アメリカの大統領選は残り1週間を切りました。激しい選挙戦は続いており、ハリス・トランプ両候補の支持率は依然拮抗しています。そして、ここに来て大きく注目されているのが男女の分断です。

女性のマジョリティがカマラ・ハリスを支持しているのに対し、男性はドナルド・トランプを支持。なかでも特にジェンダーギャップが大きいのは、若いZ世代です。

Z世代の6割はハリスを支持。ハリス氏を支持する女性はトランプに比べて30パーセント以上多くなっている一方で、男性のハリス支持はトランプ支持に比べ、わずか4パーセントの差に留まっています。

若いZ世代の女性がハリスを強く支持する背景には、トランプ氏が在任中に指名した3人の保守最高裁判事によって多くの州で禁止となった「人工妊娠中絶の問題」があります。

日本では政治案件になることはまずない中絶問題が、アメリカの女性にとってなぜこれほど切実なのでしょうか。これから子どもを産み、育てる、アメリカZ世代のリアルな声を聞いてみましょう。

シャンシャン:女性がハリスを支持する理由は、まずトランプが中絶に関して極端な反対意見を持っているからだと思う。

メアリー:中絶が非常に大きな要因だと思う。たとえば、将来私が子どもを持ちたいと思って妊娠し、流産したとする。そうなっただけで刑務所に行きたくないし、裁判沙汰になりたくないよ。というのも、流産は中絶と同じとされているんだよね。

実際に、ある女性が流産したときに訴えられたケースがあるよ。まるで彼女が自分の子どもを殺したかのように扱われていた。もう正気の沙汰じゃない。

シャンシャン:なんてひどい話。母親は我が子を失って悲嘆にくれているのに、その母親を犯罪者にしようとするなんて。私はさすがに中絶禁止には例外もあると思っていたんだけど、実際にはたとえレイプされたとしても、中絶はダメだという法律があるのは本当にショックだった。

それに、もし母親が生命にかかわるような重篤な状態になった場合でも、中絶が許されないなんてどうかしている。母親がいなかったら子どもは産めないんだよ。まったく理解できない。

何が腹立たしいって、女性が中絶できるかどうかを決めているのが高齢の男性だということだよ。彼らは間もなくいなくなるけれど、彼らが決めた政策は今後50年、100年と続く。その結果、私たちが苦しまなければならない。

ラボの女性メンバーによる話し合いでは、流産しただけで犯罪者扱いにされたという話があがりました。他にも、流産した女性が必要な医療を受けられずに命を落としかけたケースや、合法的に買った薬で中絶しようした際に、治療を拒否されて亡くなった女性もいます。

「テキサス州では中絶が禁止となってから、妊娠した女性の死亡率は1.5倍にもなったというショッキングなデータもあります。中絶は、事実上全面禁止する14の州では、女性の医療健康問題に発展しているのです」とシェリーは解説しました。


(左から)ミクア、シェリー、ヒカル、ノエ、シャンシャン、メアリー/©NY-Future-Lab



◆若い男性がトランプを支持するのはなぜ?

ニューヨークは中絶が合法な州の1つですが、トランプ氏は全米での禁止の可能性も匂わせています。これに対してハリス氏は、女性が自分の体について自由な決定権があるべきだと主張。先日、ハリスの集会でスピーチしたビヨンセも「私は母親として女性の選択の自由を信じます」と強く訴えました。

女性の意思を尊重するハリス氏に支持が集まる一方で、なぜ若い男性はトランプ氏に流れるのでしょうか?

ヒカル:若い白人男性がトランプを支持するのはなんとなくわかるんだ。大学生なんかは、自分の政治的信念が完全に固まっていないから、誰を支持するかは育てられた環境に影響されるよね。

たとえば、保守的なキリスト教の家庭で育ったらトランプ支持になるよね。でも他の人種で(トランプを)支持する人たちについては、トランプのどこに魅力を感じているのか理解できないな。

メアリー:たとえば、フロリダに住むキューバ系、カリフォルニアに住むイラン系、ナイジェリア系の人たちは、保守的な背景を持つ人が多い。そうなると、当然トランプに投票するでしょう。

だけど、アメリカで生まれ育った男性たちに関して言えば、女性のエンパワーメントのメッセージを多く受けて育っているのに、その背景を理解していないように感じるんだよね。

「ガールボス」とか女性のエンパワーメント運動を知っていても、女性がこれまでどれほど大変な思いをしてきたかをわかっていないし、理解もできない。だから、「女性が自分より優れているってどういう意味?」みたいに思っている。彼らはトランプの言っていることが自分の価値観に合っていると感じているんじゃないかな。

シャンシャン:あとは、ほとんどのビジネスマンがトランプを支持する傾向にあるよね。それは彼が大統領だったときに、たまたま経済状況がよかったからだよ。だから、彼が大統領になれば、また同じ利益を得られると期待している。ただの偶然だったのにね。

あとは、コロナ禍が発生したときに、トランプは多くのお金を配ったでしょう? それもトランプのいいイメージにつながっているんだよね。

メアリー:他の悪いことは全部無視して、ただお金をもらったことだけを覚えているんだよね。

ニューヨークタイムズでも、トランプを支持する若い男性は、社会にどんどん進出していく女性に取り残されたと感じている、という分析が掲載されていました。

「実際にアメリカの大学生の数を見ても、女性が男性を上回っています。そのため、歴史的に女性が置かれてきた弱い立場を理解せず、ただ過去を懐かしみ、保守化する男性が増えています」とシェリーは指摘します。

そうした男性たちにとって、トランプ氏が打ち出す“古き良きマッチョな男性像”は魅力的に見えます。同時に、彼らがもっとも重要視するのはお金です。先日トランプ氏は若い男性に絶大な人気を誇る、コメディアンでポッドキャスターのジョー・ローガンのポッドキャストにゲスト出演し、所得税を廃止する考えがあると語りました。そういうアプローチから、若い男性はトランプ氏に寄っていると考えられます。

中絶の自由と人権を重視する女性と、切実にお金が必要と感じている男性。「ハリスを支持する女性とトランプ支持の男性が、激戦州でどちらが多く投票するのかが、アメリカの運命を決める大きな要因になることは間違いなさそうです」とシェリーはコメントし、話題を締めくくりました。

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10月30日放送分より(radiko.jpのタイムフリー)
聴取期限 2024年11月7日(木) AM 4:59 まで
※放送エリア外の方は、プレミアム会員の登録でご利用いただけます。
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<番組概要>
番組名:NY Future Lab
放送日時:毎週水曜日18:40〜18:55放送
出演:シェリーめぐみ
番組Webサイト: https://www.interfm.co.jp/nyfutureweb
特設サイト:https://ny-future-lab.com/
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  • メリカ人口の65%を占めるキリスト教徒のうち、特にカトリック教徒とプロテスタント福音派が、中絶は教義に反するとしている。エヴァンゲリオン派?
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