早朝の鈴鹿サーキットに謎のフォーミュラマシンが走行を行った。事前にスーパーフォーミュラのマシンらしいという情報を入手していたが実際、11月7日の鈴鹿には真っ黒なカーボン地のスーパーフォーミュラサイズのマシンが走行を重ねた。エンジンサウンドは現行のスーパーフォーミュラとは若干異なっているようにも感じる。いろいろ調べていくうちに、このマシンに搭載しているのはなんと、ホンダの市販エンジンであることが判明した。
鈴鹿の早朝、HRCの占有走行として1時間、貸し切られて走行したマシンは、よく見ると外観は現行のひとつ前、スーパーフォーミュラSF19であることがわかった。
トヨタ、ホンダがそれぞれ1台づつテストで走行させているスーパーフォーミュラの開発車両、通称“赤寅”“白寅”とも違い、このカーボン地のSF19にはスポンサーロゴやチームロゴはいっさい貼られていない。唯一、ノーズ先端にダラーラのロゴが視認できるのみで、その風貌は極秘感、そして開発テスト感が満載。
ピットの周りにはHRC/ホンダ、無限のウエアを着たスタッフの姿が見られ、暖気の時点では通常のスーパーフォーミュラのエンジン音とはあまり変わらず、走行時のエキゾストノートも、レーシングカーが走っているサウンドとほとんど変わらない。
アウトイン、そして計測1〜2周のショートランを繰り返し、最後は連続で3周走行、計測できる周回数はわずか18周程度だったが、ピット内には笑顔が見られ、ドライバーはホンダのスーパーフォーミュラ開発車両『白寅』を担当している塚越広大が担当していた。
走行後、関係者に話を聞くと、実はこのマシンはレーシングエンジン搭載ではなく、市販車のホンダ・シビック・タイプRに搭載されているK20Cエンジンをチューニングしたエンジンを搭載していたことが明らかになった。
市販ベースのエンジンを、国内トップカテゴリーのスーパーフォーミュラの車体に搭載して走行を繰り返したこの謎のテスト、果たして、その目的と今後の展開はいかに⎯⎯続報を待たれよ。