限定公開( 2 )
数ある少女漫画雑誌のうち、「りぼん」「なかよし」「ちゃお」は“3大少女漫画雑誌”といわれている。そのうち、現時点で部数がトップなのは、どの雑誌かご存じだろうか。
日本雑誌協会が11月5日に公表した、2024年7月〜9月の3ヶ月ごとの平均印刷部数を見てみよう。データによると、「りぼん」が約11万3333部で、「ちゃお」が約10万部、「なかよし」約2万7000部となっている。したがって、「りぼん」が現在の少女漫画雑誌のトップということができる。
少し前までは「ちゃお」が部数トップであり、特に2000年以降は『ミルモでポン!』『きらりん☆レボリューション』などの歴史的ヒット作を連発して、100万部を敢行していた時代もあった。その前まで遡ると、1990年代までは「りぼん」は約250万部、「なかよし」は約200万部を突破していた。
しかし、現在はいずれの雑誌も部数がかつての数十分の以下まで、深刻に落ち込んでいることがわかる。なお、2024年4月〜6月のデータでは、「りぼん」が約11万8333部で、「ちゃお」が約10万6667部、「なかよし」約2万8667部となっていた。各誌、数千部単位で微減となっているが、このままでは「ちゃお」の10万部割れが現実味を帯びている。
参考に、他の少女漫画雑誌の部数を見ると、「花とゆめ」約3万8500部、「別冊マーガレット」3万6000部、「Sho-Comi」が約1万1000部、「マーガレット」約1万1000部となっており、いずれも前回の調査より数千部単位で部数を減らしており、部数増に転じた雑誌は一誌も存在しない。現に、書店でも少女漫画雑誌のコーナーは縮小されつつあるようだ。
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現在連載中の少女漫画で、アニメ化、ゲーム化などのメディアミックスが行われているタイトルはほとんどない。そのため、少女漫画の読者となるはずの10代以下のターゲット層に作品が届いていないのではないかという指摘がある。女の子が必ず通る道といわれた少女漫画は、娯楽の多様化に伴い、新規の読者獲得に苦戦している現実がある。
その一方で、かつて少女漫画を読んでいた30〜40代の女性をターゲットにしたコラボカフェやグッズの発売は盛んである。『美少女戦士セーラームーン』は不動の人気を誇っているし、作者のCLAMPの原画展も好評だった『カードキャプターさくら』は相次いでグッズ化され、『きらりん☆レボリューション』はコラボカフェのイベントも実施された。
かつての名作のメディアミックスが盛んな一方で、現在進行形で連載中の作品が注目を集めていないのは、かなり寂しいものがある。なかには、単行本の初版の発行部数が2000部程度に落ち込んだタイトルもあるといわれており、他ジャンルへの漫画家の移籍も進む。近年の深刻な少子化もあり、少女漫画雑誌を取り巻く現状は厳しさを増している。
少女漫画が注目されるためには、何と言ってもヒット作の誕生である。メディアミックスが相次ぐヒット作が1本でも生まれれば、少女漫画界全体が活気づくのは間違いない。漫画ファンの間からは「注目度は高くないが、個々の漫画のクオリティは上がっている」という意見もあり、少女漫画界から目が離せなくなっている。
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