「あの人の不機嫌の理由が自分にありそう」「嫌なことをされたけれど嫌われるのが怖くて言い出せない」このような悩ましい状況に陥ると、落ち着かず、自分の気持ちを抑え込み、場合によってはその原因となった人に対してモヤモヤしてしまうことも多いのではないでしょうか。
そのような後ろめたくなる気持ちに「胸を張って」と伝えるのが『フロイトとソーカモ その悩み、猫が答えます』。
中国でベストセラーとなった漫画の翻訳版で、心理学の知識を持つ猫の“フロイト”と、そのフロイトを慕う悩みがちなカモの子の“ソーカモ”による何気ない日常の会話が描かれています。その原作者である徐慢慢(シュイマンマン)心理話に、その教えを学びます。
今回は「人間関係におけるネガティブな感情との付き合い方」に関するエピソードを紹介します。
(この記事は、『フロイトとソーカモ その悩み、猫が答えます』より一部を抜粋し、再編集しています)
◆自然と心がスッキリと……
心理学を嗜み、物事への見方が鋭いオス猫の“フロイト”が、ひょんなことからカモの卵を孵化させた。殻を破り出たヒナの「ソーカモ」が初めて見たのは、「イクメン」フロイト。
この刷り込みから、フロイトはソーカモの「ママ」となってしまった! フロイトはウィットに富んだいいお母さんで、息子の前に壁が立ちはだかるたびに、根気よく、やさしく解決へと導く――。
◆心の「攻撃性」に向き合い、他人に「ノー」を言えるか?
精神分析において、「Aggressiveness(攻撃性)」は重要な概念です。
字面だけ見ると、ネガティブな言葉として捉えてしまうかもしれません。私たちが尊ぶ価値観とは逆行しているように思われることもあるでしょう。そのため、人々は「攻撃性」を危惧し、抑え込もうとします。
しかし、ネガティブな気持ちを合理的に発散させるための「攻撃性」もあります。同時に攻撃性は、自分に危害を加える行動を拒否するためにあります。攻撃性は、他人への敵意ではなく、その人の生命力の表れです。
◆「我慢がいい人間関係を築ける」という思い込み
ソーカモはフロイトの導きで、我慢や妥協ばかりする子から、他人に「ノー」を言える子に成長しました。子どもが穏やかな人間関係を築けるように、「いい子にして」「我慢して」などと教える親もいるでしょう。
しかし、それでいい人間関係が築けるというのは親の思い込みであり、さらに言うと、子どもの攻撃性を抑制してしまいます。
自分は何が好きで、何が嫌いか。傷つくこととは。愛とは。自分が嫌だと感じることをはっきり理解して、ちゃんとノーを言えるようになってはじめて、健全な人間関係を築けるようになるのです。
<構成/女子SPA!編集部>
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