【今日のにゃんこタイム〜○○さん家の猫がかわいすぎる Vol.156】
カラスにいじめられ、顔に傷を負いながらも生き延びてきたこの子を大切に育てていきたい。そんな想いから黒猫テオくんを迎え入れたのは、猫好きデザイナーのザク村さん(@zakumura_san)。
常々、猫と暮らしたいと思っていたザク村さんは賃貸契約を更新するタイミングでテオくんと出会い、その生い立ちに心動かされたそうです。
◆カラスに襲われて傷を負った黒猫との出会い
実家で猫と暮らしていたことから、猫との生活を夢見ていたザク村さん。縁があれば、猫の飼育が可能な物件に引っ越して保護猫を引き取りたい。そう思いつつ賃貸契約の更新に悩んでいたとき、知人から子猫を保護したとの連絡が。
「ご縁があればどんな子でもいいと思っていたのですが、たまたま大好きな黒猫でした」
知人は、カラスに追われて逃げてきた子猫を保護したそう。子猫の眼球は無事であったものの、左目と眉間の間にはカラスに突かれたと思われる傷がありました。
動物病院では、寄生虫がいることが判明。駆虫薬を処方してもらい、ノミやシラミの駆除も受けました。
危険な目に遭ってもなお、その黒猫は初対面でも抱き上げることができるほどの人懐っこさ。生い立ちを知ったザク村さんは「自分の手で幸せにしたい」と強く思い、お迎えを決意しました。
◆プライドが高い先住猫も“新入り家族”の虜に!
名前は、好きな猫画家や「神の贈り物」という意味の「テオドロス」から取り、「テオ」に決定。
実はザク村さん、テオくんと出会う2カ月前に保護猫をお迎えしようとしたことがあったそう。しかし、保護主さんとのコミュニケーションがスムーズにいかず、話は立ち消えてしまいました。
「猫の飼育が可能な引っ越し先はそのときに見つけていたので、テオくんのお迎えを決意した後、すぐ不動産屋へ行きました。
幸い借り手はまだついておらず、さらに猫グッズもたまたま安く買えるなど、2カ月前よりもお迎えの準備がスムーズに進みました」
◆実家でのプレ生活、先住猫・犬との相性やいかに…
ザク村さんは引っ越し先の環境を整えてから、テオくんとのふたり暮らしをスタートすることに。それまでテオくんには先住犬のアーサーくん(ポメラニアン)や先住黒猫のクロエちゃんと実家で過ごしてもらうことにしました。
お迎え当初、テオくんはクロエちゃんたちとは別の部屋で生活。ケージから出すと部屋を隅々まで探検した後、ザク村さんの膝に乗って喉を鳴らすこともありました。
クロエちゃんたちと対面を果たしたのは、お迎えから1週間後のこと。テオくんは人見知りや猫見知りはしませんでしたが、犬見知りはするタイプでアーサーくんを威嚇。クロエちゃんのことは、遊んでほしそうに追いかけまわしました。
当初クロエちゃんは逃げ回っていましたが、対面から1週間ほど経つと関係性に変化が。なんと、2匹は一緒に遊び始めたのです。
「ビックリしました。クロエはプライドが高いひとりっ子で猫嫌いだったので。テオくんの明るい性格のおかげかも。この子は誰からも愛される子になると思いました」
なお、テオくんがやり過ぎたとき、クロエちゃんはお姉さんとして叱り、教育しているのだとか。アーサーくんも近くに来たテオくんを遠慮がちに構うなど、お兄ちゃん風を吹かせています。
◆嫉妬するほど人たらしな美形猫になってほしい
テオくんとの猫ライフを始めるまでザク村さんは週1回、里帰り。クロエちゃんたちとも触れ合いつつ、テオくんのかわいさにますます心を奪われていきました。
「僕の顎ヒゲが好きなようで、一緒に寝るときはたまに首元で顎にスリスリしながらゴロゴロ言って眠ります。クロエとは対照的に好奇心旺盛で活発なので、同じ猫でもこんなに性格が違うのか……と新鮮です」
子猫特有の天真爛漫さやつぶらな瞳、少し赤茶色な肉球、毛の付け根は実はグレーであることなど、挙げればキリがないほどの愛くるしい個性にザク村さんはメロメロ。
「イタズラ坊主なのに聞き分けがよくて、ビックリ。走り回っていてもケージに入れると途端に大人しくなります」
「僕が嫉妬するくらい人たらしな美形猫になってほしい。そのためには、太らせないように気をつけないと……」
そう笑うザク村さんは出会いから1カ月ほど経った2024年11月11月、待ち焦がれたテオくんとの猫ライフをスタートさせました。
見えない赤い糸で結ばれていたかのような2人は今後、どんな日常を送るのでしょうか。
<取材・文/愛玩動物飼養管理士・古川諭香>
【古川諭香】
愛玩動物飼養管理士・キャットケアスペシャリスト。3匹の愛猫と生活中の猫バカライター。共著『バズにゃん』、Twitter:@yunc24291