『イノセンス』20周年「製作費未回収」石川光久氏が押井守監督との対話を明かす「続編を作ればすべてを回収できる」

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2025年03月16日 08:00  ORICON NEWS

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「第3回新潟国際アニメーション映画祭」(左から)井上伸一郎(フェスティバル・ディレクター)、石川光久(IGポート代表取締役社長、映画プロデューサー)(C)ORICON NewS inc.
 新潟市中央区で15日、「第3回新潟国際アニメーション映画祭」が開幕し、オープニング作品として押井守監督の『イノセンス』(2004年)が上映された。本編上映前には、同作の製作・プロデューサーであり、IGポート代表取締役社長の石川光久氏が登壇。押井監督が手掛けた『GHOST IN THE SHELL / 攻殻機動隊』(1995年)、その続編『イノセンス』に続くシリーズ3作目について言及した。

【画像】長編コンペティション部門12作品のメインカット

 押井監督から10分に及ぶビデオメッセージも上映された後、登壇した石川氏は「48時間前の話をしてもいいですか」と切り出し、新潟に向かう前に押井監督と1時間半ほど対話したことを明かした。

 今月2日、東京都内で開催された『イノセンス』公開20周年を記念したトークイベントにて、押井監督がバトー役の声優・大塚明夫と共に登壇。その際、「3本目をやりかけたこともあるし、諸事情があって形にはならなかったが、まだやり残したことがひとつだけある。それがやれるなら――」と発言し、ファンの間で大きな話題となっている。この発言が単なるリップサービスなのか、それとも本気なのかを押井監督本人に確認したという石川氏は、「リップサービスじゃなかった」と断言した。

 さらに石川氏は、押井監督が『イノセンス』製作時に、「10年、20年経っても色あせない作品を作る」と製作委員会に語っていたことに触れた。そして、『イノセンス』は莫大な製作費と労力を要し、短期間では回収が難しい作品だったことを説明しながら、「20年経ってようやく回収できました――と言いたいところですが、まだできていません」と告白。『攻殻機動隊』と『イノセンス』は世界中で高く評価され、記憶には刻まれたが、興行的な記録としてはまだ十分に達成されていないという。

 押井監督との対話の中で、「なぜ『イノセンス』は思ったほど観客を動員できなかったのか」について話し合った、と石川氏。「その原因を改めて整理した結果、この続きを作れば、それらがすべて回収されるだけでなく、とんでもなく面白いことになる――そんな話を押井監督から聞きました」と明かし、「48時間前に聞いた押井守が作りたい『攻殻機動隊』の新作、それをぜひ僕も見てみたい」と語った。

 とはいえ、映画プロデューサーとしては、『イノセンス』の製作費回収が最優先課題であることも譲れない。「この構想が面白いと思うかどうか、そしてそれが世に出るかどうかは、皆さんの力にかかっています」と、ファンの後押しを呼びかけた。これに応えるように会場では、大きな拍手が沸き起こっていた。

■オープニング作品『イノセンス』について

 士郎正宗の漫画及びそれを原作とするアニメ『攻殻機動隊』シリーズの2作目。前作『GHOST IN THE SHELL/攻殻機動隊』の最後で主人公の草薙素子(CV:田中敦子)が姿を消し、残されたバトーを主人公にした物語。人とサイボーグ(機械化人間)、ロボット(人形)が共存する、2032年の日本。魂が希薄になった時代。ある日、少女型の愛玩用ロボットが暴走を起こし、所有者を惨殺する事件が発生。「人間のために作られたはずのロボットがなぜ、人間を襲ったのか」。バトーは、相棒のトグサと共に捜査に向かう。電脳ネットワークを駆使して、自分の「脳」を攻撃する“謎のハッカー”の妨害に苦しみながら、事件の真相に近づいていく。

 「第3回新潟国際アニメーション映画祭」は3月15日〜20日まで、新潟市中央区の4会場(新潟市民プラザ、新潟日報メディアシップ、映画館のT・ジョイ、シネ・ウインド)で開催中。

このニュースに関するつぶやき

  • もう少し緩く分かりやすいものにして欲しかったよな。音楽は最高なんだけどね♪
    • イイネ!3
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