ブルペンで投球練習を行うロッテ・横山陸人[撮影=岩下雄太] 「だいぶ調子も安定していますし、フォークも自分の課題においているところでしっかり投げられているので、順調にはきているのかなと思います」。
ロッテの横山陸人は開幕に向けて、順調に調整を進めている。
5年目の昨季はシーズン自己最多の43試合に登板し、3勝1敗18ホールド3セーブ、防御率1.71と抜群の安定感を誇り、シーズン終了後には『WBSCプレミア12』の日本代表に選出され、フル稼働の1年となった。
「しっかり休めるところは休みましたし、そのぶん、例年よりも2月に出ている出力が多分低いので、自然と上がっていくと思うんですけど、しっかりそういうところも自分で考えながら、疲労も考慮しながらやっていければいいのかなと思います」。
今季に向けて、「今まで投げていたシンカーと違う軌道なんですけど、投球する意味合いとしてはシンカーと同じような感じですね。ちょっと軌道は違うという感じです」とシンカーを派生させたフォークを投げている。左打者にシンカー、右打者にフォークを投げていくイメージなのか訊くと、「両方とも使っていこうと。言い方次第。どう捉えても変わりないですね」と教えてくれた。
去年はシンカーに苦労し、一時期投げていない時期もあった。そういったことも踏まえ、フォークを覚えた方がいいと感じたのだろうかーー。
「なんていうんですかね、ただ言い方が変わっているだけで、大勢さんにいろいろお話を伺って、大勢さんもフォークを投げていると話をしたので、フォークという認識で投げているという感じです。なので、深い意味はないですね」。
オープン戦が始まってからは、3月9日のソフトバンク戦、5−5の9回一死走者なしで笹川吉康を2ストライクから空振り三振に仕留めた141キロフォークはストライクゾーンからボールゾーンに落ちる良い球だった。
「まだ良し悪しがはっきりしているところもあるんですけど、ソフトバンク戦に関しては右バッターに対してはしっかり投げられていましたし、笹川選手に対しても投げ切るところはしっかり投げきれていたので、そういうのを続けていければもっともっと自分の感覚になっていくのかなと思います」。
◆ 今季に向け
石垣島春季キャンプでは「まだまだ出力だったり足りないところが多いですけど、しっかり調整できるようにやっていければいいのかなと思います」と話していたが、オープン戦に入り出力について訊くと、「だいぶ自分の中でも改善されてきて、しっかり試合でも出力を出せているのかなと思います」とのこと。
ストレートを見ても、150キロを超える強いボールを投げている。横山本人も「しっかり自分の中で投げられているのかなと思います」と好感触。
オープン戦では走者がいない時にクイックで投げたり、タイミングを変えて投げている。
「建山さんから色々できたほうがいいという話をミーティングでされていたので、試合で積極的に取り入れている感じです」。
開幕に向けて2週間を切った。「開幕からいいスタートを切れるようにしっかり調整して行きますし、まだまだ自分の中でもう少し足りないなと思う出力の部分、体の部分だったりがあると思うので、そこをもう少し突き詰めてやっていって、万全の状態でスタートして1年間完走できるようにしていけたらいいなと思います」。今季も一軍のブルペンをしっかりと支えていきたいところだ。
取材・文=岩下雄太