スタジオジブリ『海がきこえる』7月4日より3週間限定、全国リバイバル上映決定 (C)1993 Saeko Himuro/Keiko Niwa/Studio Ghibli 映画・ドラマ・アニメのレビューサービス Filmarks(フィルマークス)主催のリバイバル上映プロジェクトにて、スタジオジブリ『海がきこえる』(1993年)の全国リバイバル上映が決定した。7月4日より3週間限定上映となる。
【画像】『海がきこえる』そのほかの場面写真、ポスタービジュアル
同映画は、月刊「アニメージュ」で連載された作家・氷室冴子の原作小説をスタジオジブリの若手スタッフが中心になって1993年に長編アニメーション化、テレビスペシャルとして放送された作品。高知と東京を舞台に、10代の終わりが近づく3人の若者たちの繊細な心の揺らぎや葛藤に向き合う青春模様をみずみずしく描き出した。
多くの人にとってなじみのあるスタジオジブリ作品とは一味違った作風で、人間関係の機微や複雑さを捉えたリアルなテーマと情景が心に残るストーリー。今もなお多くのファンに愛され、さらに新たな世代や海外のファンも魅了し続けている名作の一つだ。昨年、都内の映画館にて期間限定で上映された際は、連日満席の盛況ぶりだった。
監督は、『きまぐれオレンジ★ロード あの日にかえりたい』『ここはグリーン・ウッド』などの青春劇を手がけた望月智充。スタジオジブリ作品『天空の城ラピュタ』『魔女の宅急便』の原画やキャラクターデザイン、また『海がきこえる』原作小説の挿画も担当していた近藤勝也が作画監督を務めた。当時の「スタジオジブリ若手制作集団」によって細部まで美しく丁寧に描写された90年代の風景はノスタルジックな一面もありながら、いま目にしてもなお新鮮な息吹が感じられる。
■スタッフ・キャスト
原作:氷室冴子
脚本:中村香
監督:望月智充
音楽:永田茂
主題歌:坂本洋子
制作:スタジオジブリ若手制作集団
声の出演:飛田展男、坂本洋子、関俊彦
■あらすじ
東京の大学に進学した杜崎拓(もりさき・たく)は、吉祥寺駅の反対側ホームにある人影を見た。中央線下り列車に姿を消したその人影は確かに武藤里伽子(むとう・りかこ)に見えた。だが里伽子は高知の大学に行ったのではなかったのか。高知へと向かう飛行機の中で、拓の思いは自然と里伽子と出会ったあの2年前の夏の日へと戻っていった――里伽子は勉強もスポーツも万能の美人。その里伽子に、親友の松野が惹かれていることを知った拓の心境は複雑だった。拓にとって里伽子は親友の片思いの相手という、ただそれだけの存在だった。それだけで終わるはずだった。高校3年のハワイの修学旅行までは…。