
人の趣味を見ると、その人の人間性をなんとなく推し測ることができる。読書だとか映画鑑賞を趣味として絞り出すような人は、人としてつまらない。フットサルとかしてる連中は女癖が悪い陽キャ気取りが多い、といった具合だ。まあステレオタイプであることは否定しないが、多少なりとも人間性を把握するためにも、趣味を聞くのは大事である。
その点で言えば、パチンコなんて下の下みたいな趣味と言えるだろう。これに反論するのは、パチンコ依存野郎ぐらいのものだ。(文:松本ミゾレ)
普通に考えたら今のパチンコなんてやってられない
なぜ冒頭から、パチンコを腐すのか。これは別に僕がパチンコ憎しで書いているわけではない。現に僕は20年以上パチンコホールに出入りしている依存症だし。
しかし冷静に考えて、パチンコって少なくとも、僕がはじめてホールデビューした2003年時点で既に、下品な、低俗な、小汚い趣味の代表だった。
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2000年代初頭、パチンコの印象が最悪だった理由は簡単。当時はサラ金を使って借金してでもパチンコ・パチスロにのめり込む人が今よりずっと多かったため。それら遊技者が金銭的に破綻し、自殺するケースも多かった。
こういった事態もあって、業界は一旦、遊技機の射幸性を大幅に落とした機種群を導入し加熱した出玉性能を鎮静化している。
金融庁は2010年に貸金の総量規制制度を導入し、年収の3分の1を超える金額は借入できないという仕組みを作った。総量規制は別にパチンコ依存の人のための救済ではないが、こうして多重債務に陥ってでも賭博をする人をそもそも発生させにくい状況を作っている。
ただ、この相乗効果も一時的なもので、結局ホールも慈善事業ではないので射幸性の高い機種を望むし、ユーザーもそうだったので、紆余曲折あったが現在は射幸性の高い機種だらけというのがパチンコホールの実情。
しかもパチンコというのは、低所得者の娯楽とも揶揄されるほど、ユーザーはそもそも金がない。金がないのに無理して通う上、そのユーザー数も年々減少傾向にあるものだから、ホールも生き残るために設定や釘を渋る。結果として客単価は上がる(それだけ客が負けている)一方というのが昨今の流れ。
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ここまで書けば「じゃあもうパチンコなんてやってられないね」と誰もが分かるものだけど、依存症の人たちはそうはならない。
十中八九負けるのに、射幸性の高いマシンに賭けて今日も身銭をすり減らしている。今は闇バイトも流行しているけど、現実にパチンコで金がなくなったから闇バイトに応募するバカも逮捕されている。それぐらいパチンコって、金がない底辺の人たちの趣味なのだ。元々そうなのだ。
パチンコ依存の人たちは、パチンコが落ち目になったのは昨日今日と思っているのかも…
さて、前項では元々パチンコ趣味というのは趣味としてはかなり低質なもの、という話をしてきた。僕自身もホールには行くが、やっぱりどうしようもない趣味だなぁと思いながらお金を使っている。どうしようもない男である。幸いにも趣味は他にもあるので今年もまだ2回しか出掛けてないが、僕も大枠の中でもパチンコ・パチスロ依存症であることは間違いない!
ところで、先日5ちゃんねるに「パチンコがガチでオワコンになったのっていつからなん?」というスレッドが立っていた。さっき20年前には既に底辺の娯楽だった、つまりオワコンみたいなものだったと書いたばっかりだけど、このスレッドを立てた人物の見解は違う。
「割と去年まではまだ耐えてたよな」と書き込んでいるのである。僕とは住む世界線が違うようだ。この人はコロナ禍以降、目に見えてホールが減っている事実はよく見えていないようだし、何をもって耐えていると認識しているのだろうか。
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また、その他の書き込みも見ていると、近年導入された台がクソだとか、新しい出玉機能がガンだとか、いろいろな問題点を指摘する声もある。が、ここに書き込みをしている人は全員それでもパチンコをしている連中なので、説得力はそんなにない……これは本人たちも認識しているだろうけど。
正直、僕はパチスロはやるがパチンコは全然触らない。理由は簡単で、釘が渋いからだ。特定日に特定のホールにでも行かないかぎり、大抵はボーダー以下しか回らない。到底遊技するレベルの釘調整になっていないものだから、少ない金を減らしたくないと思って、パチンコなんか打たなくなった。ってか打てなくなった。
まあ、だからってパチスロは勝てるのかって話を向けられると、苦笑いをするしかないんですが。とかく今のあの酷い釘の、全然回らない台をイライラしながら打ってる人たち。凄い根性だと思う。その分ツボにハマれば凄いことになるんだろうけど、そんな奇跡を願って打ってられないよ。
パチンコ業界って面白いもんで、ずぅっと右肩下がりに売上は減ってるんだけど、コロナ明けとか、一時的にユーザーが増えたときに限っては水を得た魚のように「前年比〇%のユーザー増!」みたいな大本営発表を業界誌が喧伝する。
大切なのは全体を俯瞰することなんだけど、そういうミクロの世界での増減しかもう見えてないんだろうなぁ。
それこそ今年はウナギの漁獲量が前年比2倍とか報道もあったが、うなぎは未だに稚魚の生態も判明していないし。卵からの完全養殖もできていない水産資源。獲り尽くしたら絶滅するのに、呑気に「今年はうな重の価格が下がるかも」とか報道されてるのを見ると「あ、パチンコ業界みたいだ」と思ってしまう。
話がニュルリとウナギに逸れたけど、ここで今回のまとめ。パチンコは昨日今日オワコンになったんじゃなく、結構前からとっくにパチンコをしない人たちからすると、どうしようもなく敬遠すべき娯楽です。
※キャリコネニュースでは「パチンコなどギャンブルがやめられない人」の体験談を募集しています。回答はこちらから。https://questant.jp/q/VVMEY3CH