
【動画】コッポラ集大成となる一大叙事詩が完成 『メガロポリス』予告編
『ゴッドファーザー』シリーズや『地獄の黙示録』など数々の名作を生み出してきた巨匠、フランシス・フォード・コッポラ。彼が幼少期に観たH.G.ウェルズ原作の映画『来るべき世界』より着想を得て、1980年代より温めてきた夢の企画が、40年もの長い年月を経てついに完成。壮大なスケールで創り上げた14年ぶりの最新作『メガロポリス』が、ついに6月20日より日本公開&IMAX上映されることが決定した。
2001年にニューヨークで台本読み合わせを実施した際、そこには、ロバート・デ・ニーロ、ポール・ニューマン、レオナルド・ディカプリオ、ユマ・サーマン、ジェームズ・ガンドルフィーニ、ラッセル・クロウなど名俳優たちが参加。撮影準備を進めていたが、同年ニューヨークで9月11日の悲劇が起こり、企画は中断となった。2007年には支援も途絶え、一度は断念の危機に立たされた。
しかしコッポラは決して諦めなかった。その理由として「この作品は私の中でまだ孵化し続けていた。というのも、私は作り方を知らない映画を作るのが好きだからだ。作り方を知らなければ、映画が作り方を教えてくれる。それに耳を傾けると、とてもエキサイティングなんだ」と語っている。そして約300回にも及ぶ脚本の書き直しを経て、ついに2021年、彼は自身のワイナリーの一部を手放し、私財1億2000万ドル(約186億円)を投じて映画製作を再始動。85歳になる今、まさに人生を賭けた渾身の一作を作り上げた。
舞台は、21世紀、アメリカをローマ帝国に見立てたニューローマ。そこでは享楽にふける富裕層と苦しい生活を強いられる貧困層の激しい格差が、社会問題化している。古代ローマの叙事詩を現代のアメリカと重ね合わせたことについて、コッポラ監督は「アメリカが共和制ローマの再来であることは明らかだ。ニューヨークに行けば、ローマ時代の建物で埋め尽くされていることに気づかされるだろう。私の意図は、古代ローマを模倣した現代のニューヨークを舞台にしたローマ叙事詩を書くことだった」と明かしている。
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カエサルと対立する新市長フランクリン・キケロには、『ドゥ・ザ・ライト・シング』『マルコムX』などスパイク・リー作品に多数出演し、近年では『キャプテン・アメリカ:ブレイブ・ニュー・ワールド』でヴィランのサイドワインダーを演じたジャンカルロ・エスポジート。キケロの娘ジュリアを、『ゲーム・オブ・スローンズ』シリーズや『ワイルド・スピード』シリーズなどに出演するナタリー・エマニュエル。
そのほかにも、オーブリー・プラザ、シャイア・ラブーフ、ジョン・ ヴォイト、ローレンス・フィッシュバーン、タリア・シャイア、ジェイソン・シュワルツマン、ダスティン・ホフマンなどの実力派俳優たちが脇を固める。
本作は2024年のカンヌ映画祭コンペティション部門でプレミア上映され、上映後にはスタンディングオベーションを浴び世界中で話題を呼んだ。様々な意見が飛び交う中、「映画とその無限の可能性に興奮し続ける映画作家の作品」(The New York Times)、「『メガロポリス』は映画である以上に体験であり、体験として忘れがたい」(Detroit News)などの声が寄せられた。
予告編は、アダム演じる天才建築家カエサルが「時よ、止まれ!」と叫び、自身の時間を止める能力に気づくシーンから始まる。富裕層と貧困層の格差が社会問題となっているアメリカ共和国の大都市ニューローマで、カエサルは「夢に描いた都市をわたしは創りたい」と新都市・メガロポリスの開発を進めようとする。
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映像には、古代ローマのコロッセオを彷彿とさせる荘厳なセットや、緻密に作り込まれた未来都市メガロポリスなどが登場し、その壮大なスケールで観る者を圧倒。果たして巨匠コッポラ監督が私たちに伝えたいメッセージとは?
ポスタービジュアルは、物語の舞台となるカエサルの住むビルが中心にそびえ立ち、その周囲には個性豊かなキャラクターたちが描かれている。中でもひときわ目を引く鷲のオブジェは、本編の重要なシーンで象徴的に登場。作品の壮大な世界観が伝わるビジュアルに仕上がった。
なお、本作のムビチケ前売券(オンライン)は4月18日より発売開始。さらに発売日より1週間の間、通常1600円が1400円となるタイムセールを実施する。
映画『メガロポリス』は、6月20日より全国公開。