写真 女子SPA!で大きな反響を呼んだ記事を、ジャンルごとに紹介します。こちらは、「恋愛」ジャンルの人気記事です。(初公開日は2023年5月20日 記事は取材時の状況)
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結婚相手を探すうえで、どんなに理想的な相手でも家族との価値観が合わない場合は、つらいものです。
別れのきっかけになるケースも少なくありません。
今回お話を聞いた裕子さん(仮名・33歳)は、彼の実家との付き合い方に悩み、別れを決意した経験があるのだそうですが、いったい何が合わなかったのでしょうか。
◆婚活パーティーで出会ったハイスペ男子
地方銀行の受付事務として勤務している裕子さん。彼女は31歳のころ、3歳年下の大手車メーカーの営業マン・修二さん(仮名)と交際していました。
「彼と出会ったのは、とある婚活パーティでした。ルックスも申し分なく、優しくて、将来有望。おまけに一緒にいて楽しかったので、お付き合いしてほしいと言われたときは本当にうれしかったのを覚えています」
結婚に向けて一歩を踏み出した裕子さんは浮かれ気分。彼との明るい未来を想像しては、既婚者の友人と話して浮かれていたと言います。彼の実家に行くまでは……。
◆理想の彼との初めての大型連休、儚くも散った華やかなデート
雲行きが怪しくなったのは、ゴールデンウィークを前にしたときのこと。
「彼と過ごす初めての大型連休、デートできたらいいなと思っていました。周りの友人が温泉旅行やテーマパークに行くと話しているのを聞いて、憧れていたんですよ。
でも、全然ゴールデンウィークの話題にならないので、私から聞いてみたんです。“ゴールデンウィークなにする?”って」と裕子さん。
しかし、修二さんは「大型連休は地元に帰省し、実家の魚屋の手伝いをしているんだよね」と返答。
このときのことを裕子さんは、次のように振り返ります。
「旅行に行けないのは残念でしたけど、“家族思いでステキだな”と感心しました。
でも“一緒に手伝いにきてもらってもいい?”とお願いされたときは、正直“なんで?”と思いましたよね。せっかくの連休なのに、遊べない、休めないどころか、初めて行くお家の手伝いをするなんて、と。
ただ、当時の私は彼と結婚したいと考えていたので、気は進みませんが引き受けることにしました。家族になるかもしれないですから、最初の印象って大事だろうなと思ったので」
◆優しい彼の家族、それでも憂うつだったワケ
「いざ行ってみたところ、彼の家族は気さくで、とても接しやすい印象を受けました。お母さんがニコニコしながら“ありがとうね”と伝えてくれるのが、すごく嬉しかったです。
ただ、当然なんですけど、ボランティアですから、給料を支払われることはありません。周りの友だちが華やかなデートを楽しんでいる中で“なにをしているんだろう”と悲しくなったのも本音です。
もしも彼と結婚したら、大型連休のたびに無賃で仕事を手伝わされるのかな…って」
◆彼の態度にゲンナリ
さらに裕子さんが悲しくなった理由はもう1つありました。
「いつもは優しい彼が“ありがとう”の一言も言ってくれなくて。
それどころか、父母に“裕子、仕事遅いところあるけど大丈夫?”だとか、“足出まといになっていない?”とボソッと確認しているのが時折聞こえてくるんですよね。
善意で手伝っているはずなのに、なんでそんなことを言われなきゃいけないんだろうと、惨めな気持ちになりました。彼にとっては、手伝って当然、仕事ができて当然なんでしょうね。家族の前ではいい顔を見せようとして、私を蔑ろにする姿に幻滅しました」
◆身に覚えのないクール便に困惑
この件以来「このまま彼と付き合い続けてもいいのだろうか」と迷いを感じるようになった裕子さん。
そんな中、修二さんから「贈り物があるから、住所と電話番号を教えて」と言われたそうです。
「正直、彼への気持ちが冷めつつあったのですが、突然贈り物を送ると言われたら嬉しいですよね。タイミング的に誕生日も近かったので、花束でも送られてくるのかなとウキウキしました」と裕子さん。
しかし、そんな浮かれた気分は荷物の到着とともに打ち砕かれました。
「誕生日の1週間前に、彼のお母さんの名前でクール宅急便が2箱届いたんですよ」
「当時、私は実家に住んでいたのですが、受け取った母が“知ってる人?生ものみたいよ?”と不安そうな顔をしていたのを覚えています。そりゃあ、そうですよね。私、生まれてから一度も生ものを注文したことないですし、個人名からの贈り物ですもん」と裕子さん。
中身を開けてみると、1箱にはアジ、マグロなどの海鮮物が、もう1箱にはわかめが5〜6袋、ちりめんが3袋ほど入っていたそうです。
「正直ストックするのにも場所を取るので、困りましたね。私の母も“こんなにいっぱいもらっても…何をお返しすればいいかもわからないし”と困惑していました」
◆予想外すぎる彼の態度に別れを決意
「正直、どうすればいいかは困ったのですが、一応送ってもらいましたから、彼に連絡することにしました。もし今後も送られてくることになったら、申し訳ないですしね。
お礼を伝えたうえで、こんなに食べられないから困ると正直に話すことにしたんです。彼なら、きっとわかってくれるだろうなとも思いましたし…」
そんな裕子さんの気持ちとは裏腹に、電話口の彼は「荷物届いた?」と嬉しそうな様子。
しかし、裕子さんが本音を打ち明けると「母さんは裕子が前に家を手伝ってくれたお礼をしたかったって言ってたし、せっかく送ってあげたんだから、受け取ってよ。余るなら、近所の人に配ればいいじゃん」と強めに言い放ったといいます。
このときの修二さんの態度に「なにか贈り物をすれば、実家の手伝いをさせてもいいだろうと考えているんだなって感じちゃったんですよね」と裕子さん。
「その態度に腹が立って“もうやっていけない!”と別れを切り出してしまいました。すると彼もちょっとムッとした感じで“わかった”と一言。
信じられないかも知れませんが、彼とはそれ以来会ってもないし、連絡もとっていません。引き止められることもなく、あっけなく終わりました」
この経験から、付き合う上で相手の家庭環境を重視するようになった裕子さん。
修二さんと別れてから2年、現在は結婚相談所に登録し、家族構成や家柄をチェックしてから相手と会うようにしているそうです。
<文/みくまゆたん>
【みくまゆたん】
フリーライター兼占い師。数々の婚活経験を元に、大手メディアや出版社などで恋愛、婚活、占いコラムなどを執筆中。
Twitter:@mikumayutan