
日常の気になる疑問を解決!ビルやマンションでよく目にする「定礎(ていそ)」って何?知って楽しいおもしろ雑学を友達や家族にも教えてあげよう。
知って楽しい!おもしろ雑学
Q.ビルやマンションでよく目にする「定礎」って何?
A.建物完成の記念として設置されるもので、定礎の中に定礎箱と呼ばれるタイムカプセルがあります。(一級建築士・建築ライター オキハラさん)
ビルなどでよく目にする「定礎」という文字が彫られた石やプレート。
この正体について、「建築物の着工もしくは竣工の記念として設置されるもの。建物の永続的な安定や繁栄、利用者の安全、事業の成功、プロジェクト関係者への感謝など、施主のさまざまな思いが込められているもので、定礎板といわれています」
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と話すのは、一級建築士で建築ライターのオキハラさん。
「ビルや学校など、大きい建物以外ではめったに見ない定礎板ですが、基本的に設置の可否は施主の判断です。戸建て住宅など、小規模な建物では設置しないケースが増えていますが、こだわりを持ってプロジェクトを進めた施主は、建物の種類にかかわらず設置を希望することも。
また、定礎板に決まりはなく、サイズや素材、フォントなど、自由に選択が可能です」(オキハラさん、以下同)
この定礎板だが、実は石の中に“ある物”が埋蔵されているという。
「定礎箱と呼ばれるもので、中身は施主によってさまざま。一般的には、建物の図面や関係者名簿、建設当時の新聞、その年の貨幣などを思い出として入れることが多く、タイムカプセルの役割を果たしています」
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ただ、簡単に取り出せるものではないと、オキハラさん。
「定礎箱は、建物が取り壊されるまで開けることはできません。近代の建築技術からすれば、建造物を100年以上使用することも珍しくない。思い出だけではなく、当時の記録や記憶を後世へ伝えるための、重要な役割も果たしているんです」