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うその説明で屋根の修繕費用をだまし取ろうとしたとして、埼玉県警は12日、リフォーム会社「ReLife」(同県川口市)の代表社員、栗原祐希容疑者(27)ら10人を、詐欺未遂と特定商取引法違反(不実の告知)の疑いで逮捕した。県警は、実行犯らが離合集散を繰り返す匿名・流動型犯罪グループ(トクリュウ)による悪質リフォーム詐欺事件の可能性があるとみて調べている。
逮捕容疑は2024年5月、埼玉県越谷市の70代女性の家を訪ね、「屋根が壊れている。至急工事しないと雨漏りする」などとうその説明をし、工事代金約291万円をだまし取ろうとしたとされる。
女性は契約後に不審に思い、クーリングオフ(契約解除)したという。
県警によると、R社は住宅の訪問役を「アポインター」、修繕の契約を交わす従業員を「クローザー」と呼んでいた。アポインターが一軒家を狙って訪問し、「近所で工事をしていたら屋根が壊れているのが見えた」などと不安をあおった後、クローザーが現れて修繕契約を交わす手口を繰り返していたとみられる。
県警はR社を家宅捜索し、23年11月〜24年7月に、首都圏を中心に約1500件の工事契約が交わされていたことを確認した。約700件で実際に工事し、約7億9400万円を売り上げていたとみられる。
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R社では最大約70人が働いていたとみられるが、雇用実態を把握できないという。県警は、実行犯が入れ替わるトクリュウだった可能性を視野に捜査を進める。
国民生活センターによると、屋根工事の点検をうたう悪質商法の相談件数は、24年度は全国で3052件に上り、19年度(1157件)からの5年間で2・5倍以上に増えた。
同センターは「突然業者が訪ねてきても屋根に上らせず、住宅メーカーなどに点検を依頼してほしい。近年は分電盤や給湯器を修理する手口も流行しており、注意が必要だ」と呼びかけている。【板鼻歳也、田原拓郎】
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