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トランプ米大統領の一族が経営するトランプ・オーガニゼーションが16日、新たな携帯電話サービス「トランプ・モバイル」を立ち上げ、米国製の金色に輝くスマートフォン「T1」を499ドルで発売することを発表したが、専門家からは「中国製」を疑う声が上がっている。現時点でスマートフォンを100%米国内で製造するのは技術的にほぼ不可能に近いと専門家は指摘しており、「米国製」とうたっていることに疑問を呈している。
8月に発売予定のT1は、6.8インチのAMOLEDディスプレー、256GBのストレージ、50メガピクセルのメインカメラを搭載しているというが、これは主に中国で製造されているアップルのiPhone 16 Pro Maxに酷似していることが指摘されている。iPhoneの値段は1199ドルなのに対し、T1はその半額以下であることからも初期モデルは中国メーカーから部品の一部が供給される可能性が浮上している。
米ジョンズ・ホプキンズ大学のケアリー・ビジネススクールで組織経営学を教えるティンロン・ダイ教授は、「米国でスクリーン、メモリー、カメラ、バッテリーなどすべてを製造できるはずがない」とウォール・ストリート・ジャーナル紙にコメント。国内生産に必要なインフラ整備には「少なくとも5年はかかる」との見解を述べ、「現時点でT1を米国で製造するのは絶対に不可能だ」と断言している。
米国内でスマートフォンを製造している数少ない企業の1つとして知られるピュリズムのトッド・ウィーバー最高経営責任者(CEO)も、「国内生産で499ドルという価格を約束しているのであれば、今回の発表は典型的なベーパーウェア(開発が遅延したり、中止になったりして実際に市場に出回らないソフトウエアやハードウエアのこと)のようだ」と述べている。
iPhoneを米国で製造するよう圧力をかけているトランプ大統領は、「米国で製造されないすべてのスマートフォンに25%の関税を課す」と警告している。一方で、トランプ・オーガニゼーションは製造拠点など詳細は明かしておらず、一部部品を中国などから輸入して国内で組み立てる可能性が高い中、トランプスマホも関税の対象となるのかどうか注目されている。(ロサンゼルス=千歳香奈子通信員)
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