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<ラグビーテストマッチ・リポビタンDチャレンジカップ2025:日本24−19ウェールズ>◇5日◇福岡・ミクニワールドスタジアム北九州◇観衆1万3487人
世界ランク13位の日本が、同12位のウェールズに24−19で勝利した。第2次エディー・ジョーンズ・ヘッドコーチ(HC、65)体制2季目のテストマッチ初戦で逆転勝利。過去1勝13敗と苦戦した強敵を12年ぶりに破った。強豪国が集う「ハイパフォーマンスユニオン」からの勝利も6年ぶり。指揮官の解任論も浮上する中“神采配”で不安を払拭し、ランクも逆転して12位に浮上する見込みとなった。17連敗中の相手とのガチンコ勝負第1ラウンドを制し、次戦は12日に神戸での第2戦に臨む。
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自身の手で、解任問題を吹き飛ばした。ジョーンズHCは、12年ぶりの白星を手にして「ウェールズは強豪国で手強い相手。今日の勝利はうれしい」。常に笑みを絶やさない指揮官が、いつも以上にほほ笑んだ。
前半は苦しんだ。気温30度超の中、汗でボールがすべり、何度も落球。反則やキックミスも重なり、12点差でハーフタイムに突入。それでもあきらめなかった。ロッカー室で「前に行こう!」と声をかけ合った。旗印の“超速ラグビー”を思い出した。指揮官も「選手たちの目の中に、光を感じた。いけると思った」。後半に中楠、バイレアがトライ。初キャップで途中出場の2人で逆転した。
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選手への信頼が結果に結びついた。昨季は全11試合でプロップ、フッカーの3人を途中交代させた。しかしこの日は紙森、原田、竹内を80分間フル出場させた。第1次政権を含めても、前半13分で打ち切られた15年香港戦を除いて初の采配。「相手を圧倒する選手を外すわけにいかない」と信じ、肉弾戦を勝ち切った。
ずっと勝てなかった。23年に「ハイパフォーマンスユニオン」となり、日本は強豪10カ国と肩を並べた。しかし、それは肩書だけ。実力では劣り、19年W杯日本大会以降、勝利に至らなかった。ジョーンズ体制1季目の昨季は4勝7敗と苦戦。解任論もささやかれた。主将のリーチは「この試合の大切さは、1人1人が分かっていた」と自覚して臨んだ。13年6月の第1次政権以来となる“金星”で払拭し「やっとティア1に勝てた。誇りに思う」と自信を積み上げた。
12年前はその勢いで、2年後のW杯イングランド大会で南アフリカを撃破するなど躍進。現代表に当時を知る者はリーチしかいない。世代交代が進む中、この日はノンキャップ6人が出場。最高の結果を残したが、1週間後には2戦目が待ち受ける。主将は「代表は勝ち続けることが大事」と自らに言い聞かせた。27年オーストラリア大会で大きな飛躍を遂げるため、さらに大きな果実を目指す。【飯岡大暉】
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女子1500m、田中希実が大会6連覇(写真:TBS NEWS DIG)23
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