
Q.「熱中症対策に、スポーツドリンクで水分補給をするのは危険」って本当ですか?
Q. 「毎日暑い日が続いているので、熱中症にならないようにこまめな水分補給を心がけています。水だけ飲むのはよくないと聞いたことがあるので、日中はずっとスポーツドリンクを中心に飲んでいるのですが、注意すべき点はあるでしょうか?」A. 熱中症予防には有効ですが「糖分の過剰摂取」に注意が必要です
真夏の熱中症対策に、こまめな水分補給は欠かせません。しかし質問者の方が書かれている通り、水だけをとるのはあまりおすすめできません。汗をかくと体内のナトリウムが減るため、水分だけを多くとると、体内のナトリウム濃度が低下してしまうためです。体はナトリウム濃度のバランスをとるために、せっかくの水分を十分に吸収せず、尿として排出してしまいます。暑い時期の水分補給には、適量の塩分を一緒にとることがすすめられるのはこのためです。塩分を一緒にとることで、水分をうまく体内にとどめられます。また、糖質は水分が腸で吸収されるのを早める働きもあります。そのため、夏場はスポーツドリンクを活用している人も多いでしょう。
しかし、こちらも飲み過ぎには注意が必要です。市販のスポーツドリンクは糖質を多く含んでおり、あまり運動量の多くない人にとって、糖分のとり過ぎにつながる恐れがあるからです。カロリーのとり過ぎや血糖値の急上昇など、健康への影響は無視できません。
適量であれば構いませんが、スポーツドリンク以外の選択肢も取り入れていきましょう。例えば牛乳は、糖質とたんぱく質の両方を含み、血液量を増やす働きのあるアルブミンも含まれています。これにより体内の水分を効率よく保持できます。
また、果物もおすすめです。夏に旬を迎えるスイカなどは水分やミネラルが豊富で、自然な甘さで水分補給しやすいのが魅力です。こちらも食べ過ぎはよくありませんが、無理のない日常的な水分補給として適しています。
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南 恵子プロフィール
食と健康アドバイザー。学術誌編集部、広告制作会社などを経て、フードコーディネーター、エコ・クッキングナビゲーター、裏千家茶道準教授などの資格を取得。健康と社会に配慮した食生活の提案、商品企画、執筆、講演等を通じ、毎日の健康管理に欠かせない「食」に関してわかりやすく豊富な情報発信を行っている。(文:南 恵子(NR・サプリメントアドバイザー / 食と健康ガイド))