20日投開票の参院選で、候補者らの演説を聴く有権者=14日午後、青森県弘前市 参院選の投開票を20日に控え、時事通信社は全国の支社・総支局の取材などを基に情勢を探った。自民、公明両党は苦戦しており、非改選と合わせて過半数(125)の維持に必要な50議席の確保は不透明となっている。立憲民主党は堅調。国民民主、参政両党は勢いを示す。ただ、残りの期間に情勢が変動する可能性もある。
参院の総定数は248。今回は選挙区74、比例代表50の計124議席を改選し、東京選挙区の欠員1を補充する補欠選挙を含めた計125議席を争う。
与党の非改選議席は自民62、公明13の計75。石破茂首相(自民総裁)は昨年の衆院選に大敗しており、今回の結果は政権の行方を左右する。
自民は全体の勝敗を決する全国32の「1人区」のうち13選挙区程度でリードするが、その半数ほどは激戦。特に東北、四国、九州で野党系に後れを取る候補が目立つ。
近年は着実に議席を得てきた改選数2以上の「複数区」でも、千葉や京都、兵庫で抜け出せていない。比例は前回2022年の18から大きく減らし、12前後となりそうだ。
複数区に7人を擁立した公明は、東京を除いて当落線上にある。特に埼玉や愛知で苦戦している。比例も前回の6に届くか微妙で、改選14議席を下回る可能性がある。
一方、立民は改選22議席から増やす見込みだ。1人区は地盤の厚い岩手、長野などに加えて福島や栃木で善戦。計10選挙区程度で自民に先行している。複数区は候補を立てた11選挙区の多くで安定。比例は前回の7から上積みを目指す。
日本維新の会は地盤の大阪の2人目と京都、兵庫で接戦。比例は伸び悩んでいる。共産は東京の議席を維持しそうで、比例は前回(3議席)並みとなっている。
国民民主は東京や静岡、愛知といった複数区で議席獲得を視野に入れ、1人区でも山梨と香川で健闘。比例を含めると改選4議席から10以上増やす可能性がある。
れいわ新選組は比例で2〜4議席の見通し。参政は東京など複数区で当選をうかがっており、比例の結果によっては2桁に乗せる勢いだ。
社民党は比例で改選1議席の確保、日本保守党も比例で1〜2議席を狙う。