マルク・マルケス(ドゥカティ・レノボ・チーム)/2025MotoGP第12戦チェコGP 7月18日、2025年MotoGP第12戦チェコGP 初日のセッションがブルノ・サーキットで行われ、MotoGPクラスのプラクティスではマルク・マルケス(ドゥカティ・レノボ・チーム)がトップタイムを記録した。小椋藍(トラックハウスMotoGPチーム)は20番手、代役参戦の中上貴晶(イデミツ・ホンダLCR)は21番手となっている。
5年ぶりにカレンダーに復活したチェコGPが今シーズンの前半戦最後の舞台だ。今大会では、木曜日の会見で2026年もアプリリア・レーシングに残留することを正式に発表したホルヘ・マルティンが8大会ぶりの復活参戦を果たす。体調不良で前戦ドイツGPを欠場したエネア・バスティアニーニ(レッドブルKTMテック3)も復帰している。
7月1日にトレーニング中に怪我を負ったソムキャット・チャントラ(イデミツ・ホンダLCR)はドイツGPに続いて今大会も欠場し、代役として中上貴晶(イデミツ・ホンダLCR)がエントリーしている。同じく前大会で左肩を負傷したフランコ・モルビデリ(プルタミナ・エンデューロVR46レーシング・チーム)とマーベリック・ビニャーレス(レッドブルKTMテック3)のふたりも欠場。ビニャーレスの代役としてポル・エスパルガロが今季初参戦を果たした。また、ワイルドカードとしてアウグスト・フェルナンデス(ヤマハ・ファクトリー・レーシング・チーム)が参戦する。
初日は朝から断続的に雨が続き、45分間のフリー走行1回目は気温17度、路面温度26度のウエットコンディションで始まった。注目のマルティンを含め、ピットオープンとともに多くのライダーがコースインするも、開始5分ごろに8コーナーでマルコ・ベゼッチ(アプリリア・レーシング)が転倒。また、ほぼ同じころにマルク・マルケスがマシントラブルに見舞われてストップしてしまう。ガレージが近いこともあり、マーシャルに押されながらマシンを戻した。
セッション序盤は難しいコンディションの上、各車とも久しぶりのサーキットということもあり、慎重に周回を重ねていく。開始15分の時点で、トップは2分06秒506のヨハン・ザルコ(カストロール・ホンダLCR)、2番手にブラッド・ビンダー(レッドブルKTMファクトリー・レーシング)、3番手にペドロ・アコスタ(レッドブルKTMファクトリー・レーシング)とKTMのふたりが続く。
マルク・マルケスの走行再開へマシンに火が入れられたものの跨る前にエンジンがストール。確認のためにさらに時間を失ってしまい、残り23分ごろにコースに戻ることができたものの、1度目の走行機会を失う結果となった。
セッション後半は雨足が落ち着いてきたこともあり、ジャック・ミラー(プリマ・プラマック・ヤマハMotoGP)がスリックタイヤで上位タイムを刻む。アレックス・リンス(モンスターエナジー・ヤマハMotoGPチーム)と中上は、ウエットタイヤで走行せず、スリックに適したタイミングでようやくコースインした。
周回を重ねるごとに路面が良くなっていき、終盤のアタックランではトップタイムが次々と入れ替わる。最終的にマルク・マルケスが最後のアタックで1分54秒606でトップタイムをマーク。2番手に1分55秒221のミラー、3番手に1分55秒259のフランセスコ・バニャイア(ドゥカティ・レノボ・チーム)が続いた。代役参戦の中上は10番手、小椋は残り12分に3コーナーでハイサイドを起こして転倒してしまい、ドライタイヤでタイムを残せず22番手となった。
午後は、一度雨が止み路面も乾きつつあったものの、Moto2クラスのセッションが赤旗終了となるほどの強い雨が降り出した。最高峰クラスのプラクティスもこの荒天により20分遅れとなり、気温17度、路面温度23度のウエットコンディションでスタートした。
このセッションのトップ10が予選Q2へのダイレクト進出となるため、コース上はFP1よりも水量が多く、2日目と決勝日は晴天が見込まれているものの、終盤のアタック合戦に向けて各車とも序盤から積極的に走行を続ける。
マルティンが2分07秒081のトップタイムをマークした開始約10分ごろからほとんど雨が止み、各マシンが周回を重ねるほどにタイムが上がっていく状況だ。
開始15分ごろにバニャイアが減速しきれずに13コーナーでオーバーラン。ほぼ同時ポル・エスパルガロがトラブルが発生したのか、セクター3でマシンを止めた。その数分後にはマルコ・ベゼッチ(アプリリア・レーシング)が4コーナー手前の水量の多い部分でコントロールを失って転倒を喫してしまった。
開始20分過ぎにはマルク・マルケスがピットイン前に2分04秒412の最速タイムを記録。2分05秒台前半のクアルタラロとジョアン・ミル(ホンダHRCカストロール)が続く。
折り返しの30分を前に早めに1回目のランを終えていたライダーたちが2回目のランへコースインしていく。セッション後半はタイムの伸びが落ち着いていき、ザルコが2分04秒404でタイムを更新するも、直後にマルク・マルケスの2分03秒935のラップでベストタイムを塗り替える。
日差しが差し始め、レコードライン上が乾き始めた残り20分ごろから、終盤のアタック合戦に向けて、各ライダーが一度ピットに戻り、残り12分を過ぎると各車アタックランへ入る。アレックス・マルケス(BK8グレシーニ・レーシングMotoGP)が7コーナーで転倒を喫し、走ってガレージに戻る。セクター1を自己ベストで通過したマルク・マルケスはコーナーリングでリヤを滑らせるも、見事にセーブする場面も見られた。
最終盤には厚い雲が抜けて青空が見え始めて路面も良くなっていくものの、周回数を重ねたタイヤではタイムを更新できないのか、マルク・マルケスの2分03秒935がこのセッションのトップタイムとなった。2番手は2分04秒404のザルコ、3番手には2分04秒465のクアルタラロが続いた。
4番手にベゼッチ。5番手にはマルティンが入り、復帰戦で予選Q2への直接切符を得た。また、残り3分で再びコースインできたアレックス・マルケスが最終アタックで自己ベストを更新し、9番手に食い込んだ。
小椋は20番手、中上は21番手でプラクティスを終え、ふたりともに明日の予選はQ1から挑むこととなる。
[オートスポーツweb 2025年07月18日]