
みなさんは、今の給料に満足していますか。三井住友信託銀行株式会社が設置している「三井住友トラスト・資産のミライ研究所」(以下ミライ研)が実施した調査によると、今の給料に満足している人の割合は、全年代で21.6%に留まっていることがわかりました。
本調査は2025年1月、全国1万人(18〜69歳)を対象に実施されました。
最初に、勤労者の報酬水準への満足度を5段階で調査しました。結果、報酬に満足している人は21.6%、不満を持つ人は33.5%であることがわかりました。
また、年代別では若年層ほど満足度が高い傾向が見られます。18〜29歳の人は、「満足」(28.0%)の回答割合が「不満」(27.6%)の回答割合を上回っています。一方、30代から50代にかけては、年代が上がるにつれて報酬満足度が減少傾向になっています。
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続いて、「会社・団体の報酬水準(給与・賞与・退職金等)」に対する満足度を調査しました。結果、年収1000万円付近までは、年収と満足度は比例して上昇することがわかりました。
気になる点は、満足者の割合は年収1000万円の層で頭打ちとなることです。1000万円以上の場合、「とても満足」の回答者は増加していますが、「満足」の割合はほぼ横ばいです。
ライフプランの策定状況について調べてみました。報酬に対して「とても満足」「満足」との回答者を「満足している群」、「不満」「とても不満」との回答者を「不満がある群」と称し、双方で「ライフプランの策定状況」をリサーチしたところ、ライフプランを立てている人が多かったのは「報酬に満足している群」のほうでした。また、金融リテラシーの自己評価も比較してみたところ、「報酬に満足している群」に入っている人のほうが高めであることがわかります。
なお、「今の報酬に不満がある」の項目を見て、違和感を覚えた人も多いのではないでしょうか。これは決して低年収の人に限ったことではなく、「700万円以上」でも不満を感じている人は一定数存在しています。そのような人は、金融リテラシーの自己評価も低めであることが多いようです。
企業・団体の立場において、勤労者の報酬満足度を向上させるカギについて調べてみました。結果、先述した「賃上げなどによる報酬水準の向上」だけでなく、「職場での金融教育経験」「退職金の水準把握」の2つも関係していることがわかりました。
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たとえば、職場での金融教育経験がある人は、経験がない人に比べ、「満足」の回答者が1.7倍にまで増えました。年収が上がるにつれ、報酬満足度の差が顕著になることが特徴的です。
なお、定例給与に加え、退職時に支給される「退職金」も報酬として扱います。退職金の水準を把握している人は、把握していない人に比べ、「満足」の回答者が1.9倍にまで増えました。先述した金融教育の有無と同様に、こちらも年収が上がるにつれて「満足」の回答者が増えていることがわかりますした。
【出典】
三井住友トラスト・資産のミライ研究所:「住まいと資産形成に関する意識と実態調査」(2025年)
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