誰が山奥のご先祖様まで一番乗り? 義実家のお盆に毎年開かれる「お墓参りレース」 山道ラリーに猛ダッシュ、親戚からのトラップも発動する異常な夏

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2025年08月11日 07:20  まいどなニュース

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どの家族が一番早くお墓に到着するか…!?

お盆といえば、帰省してご先祖様の墓を訪ねる、日本人にとって欠かせない夏の風習です。炎天下、汗を拭いながら手を合わせるその時間は、どの家庭でも静かに受け継がれてきたものでしょう。しかし愛知県に住むYさん(40代)の義実家では、毎年お盆になると「墓参りレース」と呼ばれる、少し変わった恒例行事が繰り広げられているのです。

【漫画】地元のレストランで腹ごしらえをしてから「では行きますか」…突如始まる“衝撃レース”(全編を読む)

毎年恒例の「お墓参りレース」、その起源は謎

Yさんの夫の父方の親戚は、とある地方の山奥に住んでいます。親戚一同が集うお盆、田舎にルーツを持つ人々にとっては墓参りが恒例行事です。しかし、Yさんの夫の親戚たちの墓参りは、なぜか毎年「競技化」されているのです。

舞台は山深い場所にあるご先祖様の墓。車で行けるのは登山道の入り口までで、そこからは足場の悪い山道を徒歩で進むしかありません。墓参りの前には、ふもとの地元レストランに集まり、腹ごしらえをしてから「では行きますか」の一言とともに、突如として「お墓参りレース」が始まるのです。

競技のルールはシンプルで、どの家族が最も早く墓前に到着するかを競います。しかしその裏には、代々受け継がれてきた静かな闘志と、秘めたライバル心が渦巻いています。

車でのアタック、徒歩での猛ダッシュ…体力勝負の墓参り

まずは車でスタート。道幅はどんどん狭くなり、対向車とのすれ違いにも苦労する山道を、親戚たちはラリー選手さながらの運転で駆け上がっていきます。途中には旧道と新道の分かれ道もあり、ヘアピンカーブが連続する坂道を、カーブミラーだけを頼りに攻めていく様子は、もはや真剣勝負です。Yさんの夫も、いつになく気合が入っているようでした。

車を降りて徒歩で登るゾーンに入ると、勝負は完全に体力戦になります。年齢差や運動習慣、靴の種類など、装備による違いが勝敗に影響します。Yさんの息子はもう中学生です。幼かった頃は抱っこやおんぶで抱えて登っていたため、とても大変でした。

「去年より速いかも!」「新道が混んでたから旧道を選んだのが失敗だった」と、大人も子どもも本気モード。息を切らして登る姿は、もはや参拝者ではありません。

最大の敵は地元のおばちゃん!?足止めトラップの恐怖

このレースにおける最大の難所は、道中に待ち受ける思わぬ「足止めトラップ」です。それは、地元に住む遠い親戚や顔なじみとの突然の再会でした。

「あらまあ、K子ちゃん!こんなに大きくなって!」などと笑顔で近寄ってくる地元のおばちゃん。親戚関係にある相手だけに無視もできず、立ち話が長引くと貴重な時間が削られてしまいます。

「今年は誰にも会わなかった!」と喜ぶ家族もいれば、「途中で〇〇さんに捕まって、遠縁のお葬式の話を延々と聞かされた…」と悔しがる家族もいます。

なかには、会話を最短で切り上げるための“会話スキップ術”を編み出した強者もいます。地元とのつながりが深いからこそ起こる「想定外の障害物」が、このレースをさらに複雑にしているのです。

ゴール地点は汗だく&ゼーハー、もはや修行の域

たどり着く先は、林の中にひっそりと佇むご先祖様の墓前。木漏れ日が差し込む少しひんやりとした空間に、汗だくの親戚たちが次々と到着します。

「あれ、S夫さんは?」「まだ途中で話しかけられてたよ」と、墓前でも順位確認が飛び交うのが、Yさんの夫の実家流のお墓参りです。

お線香をあげるころには、全員が息も絶え絶え。額の汗をぬぐいながら、静かに手を合わせる姿は、修行僧そのものです。ご先祖様も、まさか墓参りがここまで過酷な儀式になるとは思っていなかったことでしょう。

形式より、思いが大切

競争するように墓を目指すYさんの義実家ののお盆行事。外から見れば奇異に映るかもしれません。しかし、そこには「家族みんなで集まる」「世代を超えて交流する」といった、大切な要素が詰まっています。

レースの優勝者が誰であれ、ご先祖様はきっと山の上から、笑ってYさん含めた親戚たちの珍行事を見守ってくれていることでしょう。

   ◇   ◇

あなたのお墓参りに関するエピソードはありますか?

▽神奈川県・40代
母方のお墓が山奥にあり、そこまで行くのが一苦労です。まずその最寄駅に行くのも、電車の本数は少ないし時間がかかって大変、駅にタクシーもいないので徒歩で行くしかありません。お墓にいくまでに、山道を登らなければならず、虫が沢山いるので、毎年そこへ行くのが本当に憂鬱です。墓参りはしないといけないかなと思って我慢して行きますが、正直なんでこんなところにお墓があるんだろうといつも思ってます。

▽埼玉県・50代
母方の両親のお墓が、瀬戸内海の小さな島にあります。分骨しているので、普段は京都の大きなお寺に拝みにいくのですが、数年に一度、船を乗り継いでその島まで行きます。船を乗り継ぐって何?と思いますが、島へ着くとなんだか懐かしい感じはするし、島の人が温かく魚も美味しいので、楽しみではあります。

▽静岡県・40代
夫の実家の母方のご先祖様のお墓が山の中にあるのですが、割と最近まで土葬だったそうです。お墓の周辺はヒルが生息しているので、お墓参りになると長靴下に長靴を履き、皮膚は一切出さないように、服の隙間を輪ゴムで止めるなどの重装備が必要になります。まるで宇宙服のようです。軽装で行くと、「その恰好では墓へは行かれないから」と言われ寺で待機になります。

▽沖縄県・30代
うちの実家では、墓の前では毎年バーベキュー大会です。ご先祖様の墓の前にテントを張り、親族一同が肉や野菜を焼いて賑やかに過ごすのが恒例行事です。お線香の香りに焼肉の匂いが混ざる中、「じいちゃん、今年も来たよ!」と乾杯の音頭。供養というよりピクニックですが、「笑顔で集まるのが何よりの供養」というスタイルに、妙な説得力があります。

(まいどなニュース特約・松波 穂乃圭)

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  • 最近登山道で走っているバカいるけど、それと同じことしている。自分さえよければいいと思っているバカ達。何の自慢にもならない。
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