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2025年09月16日 18:10 web女性自身
9月12日、参院予算委員会で行われた閉会中審査。この日はトランプ関税をめぐる集中審議が行われたのだが、れいわ新選組の新人・奥田芙美代議員(48)が質問に立ち、関税交渉を担った赤沢亮正経済再生担当相(64)を“追い込む”場面があった。
「奥田氏は7月の参院選で、全国比例区で、新人・伊勢崎賢治氏(68)、現職・木村英子氏(60)と共に当選。前回の参院選、昨年の衆院選ではいずれも落選していましたが、国政挑戦3回目にして初当選を果たしています。元ピアノ講師という経歴を持ち、学校の理不尽なブラック校則の撤廃を掲げる『全国カルト校則廃止プロジェクト』の代表も務めています」(政治部記者)
12日の予算委員会で、国会質疑デビューを飾った奥田氏に与えられた持ち時間は5分。冒頭、「クーラー代を払えんけん、氷を抱えてしのいどる」という福岡在住の高齢男性の窮状を訴えながら、赤沢氏に対して「赤沢大臣は1カ月、5万円で生活したことありますか?」と迫った。
答弁台に立った赤沢氏は、「私も選挙のたびに『暮らしていけるようにしてください』と言って手を握る人たちから声をいただいて政治をやらせていただいております」と返答。ここから奥田氏の追及が続いていくのかと思いきや……。質問はこの一問のみで、以降、奥田氏は残り時間を使って“演説”を繰り広げた。
奥田氏は、昨年出会った75歳の福岡在住の男性が、「72歳まで老体にムチ打って商売を続けてきたが、体が動かなくなった。国民年金は月6万ちょっと。介護保険料が引かれて手元に残るのは5万円程度。それでどうやって生活しろと言う」と話していたと明かしながら、「私は先月、質問主意書で聞きました。労働者の実態を政府は知っているのか。基礎年金を引き上げるべきではないのか。政府はとんでもないことを言ってきたんです。年金で生活してる人がいることは知っているけど、年金だけで生活の全てを補うものではないと言ってきたんです」と怒りをにじませる。
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続けて、「国民年金を40年間一度も滞納せずに支払ってきた人でも基礎年金は満額で月6万5000円程度。年金だけじゃ食べていけないから、体が動く限り働き続けないといかん。病気や衰えで働けなくなったとき、いったいどう暮らすかという話です。そしたら生活保護ですよね。それでも月12、3万。この物価高で、暮らしていけるわけないですよ。これで健康で文化的な最低限度の生活が送れると本気で国は言うのでしょうか?憲法25条違反じゃないですか?」と訴えた。
さらに、奥田氏は野党に対しても、「この間の臨時国会(編注・8月1日召集、5日閉会)だって、野党の方が多いのに、ガソリン暫定税率を廃案に持ち込めるのに、採決もせずにたった3日で(臨時国会を)延長しないって、起立したじゃないですか!みんな、もう丸ごと茶番です!いい加減にしろと言いたい!」と糾弾。
ほどなくして持ち時間の終了が近づき、奥田氏は“中継カメラ目線”で、以下のように締めくくった。
「主権者の皆さん、れいわ新選組に力をください!本当のことを言って実働し続ける市民政党です。市民が立ち上がらなきゃ変えられないです」
「そして、子どもの皆さん、今日も傍聴席に子どもがいますが、あなた方は未来世代の選挙権がない主権者なんです。最高権力者です。この腐れ政治に、おかしいって声上げていいんです。言ってること、やってることが全然違う議員ばっかりやから、あなたの澄んだ目と耳でしっかりと見張ってください」
初めての質疑で弁舌を振るった奥田氏に、赤沢氏は「まだお時間があるようですので……。私自身は今日、参議院の予算委員会に出席しているつもりでしたが、一瞬、れいわの皆さんの演説会場に紛れ込んだのかと、錯覚するような状態に陥りました」と苦笑い。この“演説”風景はXでも拡散し、支持者からは奥田氏が物価高に窮する国民を代弁したとし、評価する声が上がった。
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《奥田ふみよさん、やってくれましたー!参議院予算委員会の初質疑で、「国会議員なら、全ての国民を守れ!」と、言い放ってくれてます》
《いつもの奥田さんだった。「みんなで笑って暮らしたいだけ!」》
《奥田ふみよさんの初めての国会質問、あっぱれでした》
ただ、赤沢氏が先の発言の直後に、「国会で建設的な議論をやろうと思ったら、所管の大臣を呼んでお話されるのがいいと思います。私には年金について決めるというような所管を持っているわけではありませんので」とも述べたとおり、この日はトランプ関税をめぐる集中審議だった。予算委員会は注目度が高く、議題と無関係の質問が飛ぶことは往々にしてあるものの、奥田氏の言動を疑問視する声も一部で上がった。
《委員会の議題は米国との関税措置に対する集中審議です。議題を無視した年金等の内容で、カメラ目線まで交えて政党アピールの一方的な演説を披露…。所管外の赤澤大臣、皮肉も交えて良くご対応頂けました》
《奥田さんの質疑、凄くわくわくしました!最初のご老人の話から、この予算委員会のテーマである関税措置についてどうつながるんだろう?!って思って。でも最後の最後まで町内会の世間話みたいな話で終わってしまってびっくりしました》
《初の委員会出席で所信演説としては満点 米国の関税措置等に関する集中審議の質問としては零点》
なお、赤沢氏にとって年金問題は自身の領域ではないものの、“専門分野に無理やりこじつけた話”としたうえで、こうも対応していた。
「関税措置がインフレを招くという指摘があり、そういう国の通貨は安くなると一般的には言われておりますので、むしろ、もしかしたら円高の方向に向いて、入ってくる輸入品の価格が下がって、少しは、物価高で苦しんでいる皆様にとってプラスの面もあるかもしれません」
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いずれにせよ、与野党には国民が物価高に苦しむ窮状を打開できる政策立案を期待したい。
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