
【写真】40歳になっても“ゴマキ”のキュートな魅力は変わらず!
■新アルバム『COLLECTION』は「良い意味でまとまりがない」
――本作は、デビュー25周年イヤーを記念するアルバムです。初回生産限定BOXにはハロー!プロジェクト時代のMusicVideo集も収められる、本当にスペシャルなアルバムになりますが、出来上がったものを聴いてみていかがですか?
後藤:良い意味でまとまりがない、COLLECTIONと名付けるにふさわしいアルバムになりました。コレクションは「収集品」という意味だけでなく、ファッションショーのタイトルや、また美術品や骨董品などの“宝物”を集めることにも使われます。さまざまな捉え方をしてもらえるようにこのタイトルにしたのですが、全7曲どれもテイストの違うものが集まって、本当に楽しいアルバムになったと思います。
――モーニング娘。時代の楽曲も3曲収録されます。なぜこの3曲をセレクトされたのでしょうか。
後藤:「Memory 青春の光」と「NIGHT OF TOKYO CITY」は、私がモーニング娘。に加入する前にリリースされた曲です。加入前から大好きだった2曲で、その頃のモーニング娘。といえば、こういう楽曲の雰囲気のイメージだったんですよね。なんだか儚くて、だけどかっこいい……みたいな。そんなアイドルになりたくてオーディションを受けたのですが、私が加入した途端に「LOVEマシーン」のような方向にチェンジして(笑)。「あれれ? 私のモーニング娘。のイメージとだいぶ違うぞ?」と思ったことを覚えています。
――「NIGHT OF TOKYO CITY」はファンの間で「隠れた名曲」として有名ですよね。
後藤:本当に良い曲ですよね。2007年にモーニング娘。のメジャーデビュー10周年を記念する「モーニング娘。誕生10年記念隊」が結成されて、そのツアーで2曲とも歌わせてもらったのですが、本当に気持ちが良くて。「あぁ、やっぱり好きだな」と思ったので選曲しました。
――「そうだ!We're ALIVE」はどんな理由があったのでしょうか。
後藤:アルバム収録曲を発表した際、上記2曲以上に「意外だ!」と言われたのが「そうだ!We're ALIVE」でした。テレビでモーニング娘。の過去の映像が流れる時も、だいたい「LOVEマシーン」か「ハッピーサマーウェディング」が選ばれるんですよ。盛り上げ曲ではあるものの、なかなか代表作として挙げられないからこそ選曲してみるのも面白いかなと思って選曲してみました。
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――新曲2曲についても聞かせてください。「What?」と「Which? Prod. Giga」共にテンポの速い激しい楽曲になっていますね。
後藤:「What?」に関しては、サビで「What?」としか言っていません(笑)。その斬新さがかっこよくて気に入りました。ラップから始まる歌というのも、私の楽曲では今までになかったタイプ。歌詞もオシャレで、速すぎて歌うのが大変ですが、とても好きな楽曲になりました。
「Which? Prod. Giga」の方は、Gigaさんらしい雰囲気が詰まっている楽曲。ボカロっぽく聞こえる部分があったりと、こちらも私にとっては珍しい楽曲になっています。
――そして、Da-iCEの花村想太さんとコラボレーションした「チェケラ」。一緒に歌ってみてどうでしたか?
後藤:YouTubeでもレコーディング風景を上げましたが、花村さんがどれだけ真剣に音楽を作っているかが見て感じ取れて、すごく勉強になりました。また、楽曲に対して私が思ったことを曖昧にしか伝えられなくても、それを理解するスピードが早い。例えば「MVのこのシーンはこんなイメージにしたい」とふんわり伝えただけで、「なるほどね!」とすぐに納得してくれるんです。すごく鋭い感覚を持った人だなと思いました。
■後藤真希にとっての「アイドル」とは?
――YouTubeでは平成のアイドルについて語ったり、また近年は後輩アイドルとの交流にも精力的です。平成から令和になってアイドルの形も変わってきていますが、後藤さんにとっての「アイドル」とは?
後藤:私がずっと憧れているアイドルは、ブリトニー・スピアーズです。楽曲のアプローチでいろんなことに挑戦して世間を賑わしているイメージがありますが、その挑戦が私のやりたいことに少し共通しているんですよね。毎回しっかりとテーマ性があって、絶対にインパクトを持たせて心をガッチリと掴んでくる。そんなところに憧れ続けています。
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――それは平成のアイドルにも共通していることではないのですか?
後藤:私は逆にカメラから逃げていました(笑)。カメラが来るタイミングを教えられて「ここはカメラ目線だからね」と言われても、絶対に見ないように。それは「映りたくない」という意味ではなくて、パフォーマンスを見てほしいから。せっかく楽曲の雰囲気にノッて良いパフォーマンスをしているのだから、それを感じてほしいと思っていました。
――モーニング娘。も、どちらかというと「ギラギラ」寄りでしたよね。
後藤:令和のアイドルたちは表情管理もバッチリで「かわいい私を見て」という感覚が強いと思うのですが、私の時代は「私を見ろ!」という表現の方が合っていたと思います。みんなが1番になりたくて、他のグループだけでなく、グループ内でも競い合っていましたから。
――そんな中で、人気絶頂のモーニング娘。のセンターを務めていた後藤さんは、やはりすごいです。
後藤:その「センター」という言葉も、私がモーニング娘。にいた時代はあまり使われていませんでした。おそらくAKB48が出始めた頃に世間に浸透したような気がします。私の時代は「メイン」と呼ばれていて、メインになると歌唱パートがたくさんもらえるんです。たくさん歌いたいから、みんな頑張っていました。
――当時、後藤さんはほとんどの楽曲でメインに抜てきされていました。プレッシャーよりも、頑張りが認められた喜びの方が大きかった?
後藤:いえ、私はプレッシャーの方が大きいタイプでした。メンバーみんなが歌いたいと思っている中でメインに選ばれたのに、その私がミスしてしまったら、すべてが台無しになると思っていたくらい。ソロパートの多い「I WISH」を歌う時は、本当に怖かったです。
それを経験したからこそ、他の子たちがメインになったら「それを支えてあげなきゃ」とも思うようになりました。きっとなっち(安倍なつみ)もそう考えていたと思うし、その気持ちはスタッフさんたちにも伝わっていて。石川梨華ちゃんが「ザ☆ピ〜ス!」のメインになった時に私となっちが呼ばれて、「石川のことを支えてあげてくれ」と言われました。
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後藤:まったく違うものになりました。グループにいた時も「頑張らなきゃ」とは思っていましたが、あまり緊張はしなかったんですよね。「みんながいるし」という気持ちでやれていたのですが、ソロになると誰もいない。ひとりで『紅白歌合戦』に出た日には、緊張しすぎて膝が震えました。「私はなんでミニスカートで出ちゃったんだろう?」と後悔しましたね(笑)。
――後藤さんでも緊張するんですね……!
後藤:そりゃしますよ! 今でもひとりでテレビに出て歌う時は緊張しますよ。先日40歳になったので、今後はひとりの活動でも緊張せずにいられるようになりたいです。
――最後に『COLLECTION』発売を楽しみにしているファンに向けて、メッセージをお願いします。
後藤:バラエティ豊かな楽曲の詰まったアルバムになりました。モーニング娘。時代の楽曲も収録されて、私のことを昔から応援してくれている方は“エモ”を感じられると思います。そこに意外性のある新曲2曲が加わって、きっと聴かれた方は驚くのではないでしょうか。そして、花村さんとコラボした「チェケラ」は、聴いていて笑顔になれる曲。ツインボーカルで歌う私も新鮮に感じてもらえると思うので、ぜひ堪能してください。
また、特典も盛りだくさんです。ブックレットの撮りおろし写真は、ファンの皆さんが思う「THE ゴマキ」を表現しました。観て・聴いて楽しめるアルバムをぜひよろしくお願いします!
(取材・文:米田果織 写真:米玉利朋子[G.P. FLAG inc])
後藤真希 デビュー25周年記念企画アルバム『COLLECTION』は10月15日リリース。