
ゼロから分かる木彫りの彫り方の動画がYouTubeに投稿されました。ムーミンの絵を方眼紙に描くところから彫り上げた完成品が反響を呼び、記事執筆時点で11万8000回以上再生され、2900件を超える高評価を集めています。なお、こちらの完成品は木彫りの説明のために作ったもので、販売は行っておりません。
動画を投稿したのは、木彫り作家のwakuboriさんがマンガやアニメのキャラクターを木彫りする工程を紹介するYouTubeチャンネル「wakuboriのキャラクター木彫りチャンネル」です。
今回は木彫りの基本がすべてわかる10分ほどの動画を公開。まず、木彫りについて「木材から余計な部分を取り除いて目的の形にすること」と定義付けました。簡単なことではない気がしますが、適切な手順さえ理解していれば意外と簡単に彫れるそうです。
木彫り初心者に向いている木材の例として桐材とジェルトン材を紹介。いずれも柔らかくて彫りやすいそうです。特に桐材はダイソーなどの100均で入手でき、その点でも初心者向きです。
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木彫りの道具にはさまざまな種類がありますが、絶対におすすめしないのは100均の彫刻刀だそうです。100均商品でなくとも安すぎる道具はおすすめできないといいます。
ジェルトン材や彫刻刀セットについてはwakuboriさんのオンラインショップでも販売しています。
木彫りの工程は、下絵を描く→正面の余計を取る→側面の余計を取る→すり抜けた余計を取る→斜めの余計をとる→仕上げ……という順番になります。
まずは下絵を描くところからです。絵を描けない方はwakuboriさんのnoteで無料の下絵が公開されているので、そちらを使用することもできます。
自分でモチーフを選ぶ場合は資料がたくさんある人気キャラクターがおすすめ。立体化商品があるキャラクターなら、絵だけでは確認しにくい立体物としての構造も知ることができます。今回は20枚ほどの絵を参考にムーミンの下絵を描いてみます。
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下絵は方眼紙を使い各パーツの高さを合わせながら正面図と側面図を描きます。後面図や上から見た図は資料がたくさんあるなら不要です。ただ、初心者のうちはキャラクターに直立不動の姿勢をさせたほうがいいそうです。
次に正面の余計な部分を取る工程です。下絵を厚紙に貼ってから外縁に沿って切って型紙を作り、この型紙を角材の前後にそれぞれ転写。両サイドから転写した線のところまでノコギリを入れてから、余計な部分を彫刻刀で削り取ります。
側面の工程では正面の時と同じように側面図の型紙を木材に転写し、ノコギリと彫刻刀で余計な部分を削り取ります。
正面と側面の余計な部分を取ることで少しムーミンに近づきましたが、まだまだあの柔らかなフォルムからは程遠い感じです。そこで、ここまでの作業をすり抜けた余計を取ってしまいます。
この工程は型紙なしで行われるので焦らず時間をかけて行います。下絵を見て、絶対にいらない部分を色鉛筆で木材にマークしてから彫刻刀で削り取ります。
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次に、斜めの余計な部分を取ります。ムーミンはほとんどが丸で構成されているので、角張った部分を彫刻刀で削り取り丸に近づけます。いきなり丸くしようとするのではなく、四角いものから角を削り取っていき丸に近づけていくのがコツです。ここまでくるとムーミン以外の何者でもない形になっています。
最後は仕上がりまで、いらない余計な部分を彫刻刀で削り取って形を整えていきます。最後に目と眉毛を刻むと完成。本当にムーミンができちゃった……!
wakuboriさんによると、この工程はすべての木彫りに使えるとのこと。「『木彫りって難しそう』というイメージが少しでも和らいでもらえたらうれしいです」と結びました。
木彫り初心者向けにポイントを絞りていねいに指南する内容に、「すげー」「ムーミンのもっちり具合が出ててすごくかわいいですね」「こういう動画が欲しかった」「この動画を見てやってみたいと思いました」「画材屋で彫刻刀を見かける度に『ちょっと彫り物とかやってみようかな……』って漠然と考えたりしてたからすごくタイムリーな動画だった」「難しいけれど、単純な形から練習したいと思いました」というコメントが寄せられています。
「wakuboriのキャラクター木彫りチャンネル」では他に、「ドラゴンクエスト」のスライム、エヴァンゲリオン初号機、ドラえもん……などさまざまな有名キャラクターの木彫りを紹介。オンラインショップでは木彫り作品の販売も行っていますが、著作権があるキャラクターの作品は扱っていません。
画像提供:YouTubeチャンネル「wakuboriのキャラクター木彫りチャンネル」
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