
嫌なことは先送り、それは国会議員のセンセイ方にも例外ではないようだ。
12月11日、自民党と日本維新の会が今国会での成立を目指していた「衆院議員定数削減法案」を見送る方針であることがわかった。かねてより疑問視されていた“多すぎる議員数”だが、どうやら迅速な決断には至らずーー。
自・維連立政権で合意した衆議院議員定数「465」から1割、小選挙区と比例区を合わせて46議席を削除とする法案。その「1割」とする理由を立憲民主党・奥野総一郎議員(61)から問われて、「民主党から提出されたのはおおむね1割削減だった」と、2012年当時の民主党法案を持ち出して答弁した高市早苗首相(64)。
可決された暁には議員としての職を失いかねない、特に野党にとって“死活問題”にもなるだけに慎重姿勢を見せる、反対意見が出るのも当然と言えるが、高市首相の“他人事”に聞こえる答弁もどこか本気度は伺えなかった。
ひるがえって、自民に法案を強く訴えた日本維新の会代表・吉村洋文大阪府知事(50)も、審議に応じない野党に呆れつつも、「(法案を出した)約束は守ってもらっている」と首相の対応を評価。仮に今国会で成立せずとも、“踏み絵”にしていた連立離脱に否定的な意見を述べている。自維連立は保たれそうだ。
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国会で通過しないなら連立離脱の約束
臨時国会の会期末は12月17日、あと数日残されているとはいえ議員定数削減が可決される見込みはなく、たとえ会期延長されたとしても「先送り」になるのが現状だ。流行語大賞にもなった「働いて×5」の如く、与野党ともに懸命に働いてほしいのだが、
《結局こうやって先送りにされてそのうちうやむやになる。いつものパターン。連立の意味がなくなった》
《「身を切る改革」という看板だけの猿芝居。 本気でやる気がないのは最初から見え見えだ。 国民を騙すな》
《まぁ自民もポーズで議員定数削減法案を謳ってるだけだからね。 維新の議席が欲しいだけ。 「頑張ってやってます」と見せればいいだけ》
《議員定数削減法案が今国会で通過しなかったら連立離脱の約束でした。 約束は果たしてこそ価値があります。 まさか口だけ維新の吉村と藤田の パフォーマンスではないでしょうね》
ネット上では審議を拒む野党だけでなく、“先送り”で「よし」ともする自民・維新に呆れる国民も多い。政治家はどうも、自らが“身を切る”立場に立たされると動きが鈍くなり、さらには国民の生活に直結する政策も先送りにしがちに思えるが……。
2025年7月の参院選前、石破茂前首相(68)が公約に掲げた「一律2万円の給付案」も、高市政権発足後にはトーンダウンして「見送り」に。18歳までの子どもを持つ家庭に対する1人につき2万円の給付と、国民を二分する政策に変更された。
食料品の消費税率0%は国の品格
はたまた自民党総裁になる前、物価対策として「国の品格として食料品の消費税率は0%にするべき」と、食料品の軽減税率を8%から0%に引き下げる必要があると高らかに言ってのけた高市首相。
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当然、高市内閣の発足に伴い「消費税0%」の実現を期待した国民だが、蓋を開けてみれば「レジシステムの改修などに一定の期間がかかる」と一転して慎重姿勢となり、12月9日の国会でも「消費税については、なかなか難しい議論がある。(税率0%は)今すぐお約束できない」と、党内からの反対勢力を抑えきれていないのか、やはり先送りの様相を見せている。
首相就任から約2か月、報道各社による世論調査では60%〜70%台と依然として高水準を保っている内閣支持率だが、“身を切る改革”に後手に回っている与野党議員らにも「働いて×5」と尻を叩いてほしいものだ。

