広島地裁=広島市中区 広島市で2024年7月、顧客だった80代女性から現金を奪い、住宅に放火して殺害しようとしたとして、強盗殺人未遂などの罪に問われた野村証券元社員、梶原優星被告(30)=懲戒解雇=の裁判員裁判の判決が3日、広島地裁であった。角谷比呂美裁判長は懲役18年(求刑20年)を言い渡した。
角谷裁判長は判決で、梶原被告は、睡眠薬を飲ませた女性が昏睡(こんすい)状態になったのを利用し、寝室の押し入れから現金を盗んだと認定。女性が死亡する危険性が高いと分かりながら押し入れに火を付けており、「殺意が認められる」と結論付けた。
弁護側は、現金を盗んだことは認める一方、放火は証拠隠滅工作のためで殺意はなかったと反論していたが、角谷裁判長は、押し入れの中だけが燃え自然鎮火すると考えたとの訴えについて「合理的な理由は見いだしがたい」と指摘。昏睡させる目的はなかったとの主張も「不自然、不合理で信用できない」とした。
角谷裁判長はまた、「大手証券会社の立場を利用し、顧客の信頼を裏切った点でも悪質だ」と述べた。
判決によると、梶原被告は24年7月28日、広島市西区の女性宅に侵入し、現金約1800万円を奪った上、放火して殺害しようとした。また、同月22日ごろ〜24日、女性宅から現金約800万円を盗んだ。