参院議院運営委員会理事会に出席する佐藤啓官房副長官(左から2人目)=9日午前、国会内 政府は9日、再審制度見直しのための刑事訴訟法改正案について、自民党内の異論を踏まえた修正案を来週中にも同党に提示する方向で調整に入った。週内に予定していた国会提出は先送りした。再審開始決定に対する検察官の不服申し立て(抗告)に一定の制限を設ける修正を検討しているが、同党の了承を得られるかは不透明だ。
尾崎正直、佐藤啓両官房副長官が9日、衆参両院の議院運営委員会理事会に先送りをそれぞれ伝達。木原稔官房長官は記者会見で「さらなる調整が必要だ。できる限り速やかに今国会に提出できるよう精力的に準備を進める」と語った。
今国会では10日が政府法案の提出期限とされていた。改正案は首相が質疑に立つ「重要広範議案」の位置付けで、提出の遅れは異例だ。
自民は9日、法務部会と司法制度調査会の合同会議を党本部で開き、改正案の審査を続行した。鈴木馨祐司法制度調査会長(前法相)は改正案の修正を法務省に改めて要求。出席者によると、同省側は「修正も含めて対応を検討する」と明言した。自民は法制審議会(法相の諮問機関)で改正案に反対した弁護士らから13日に意見を聴取する。
修正で焦点となるのは検察官抗告の扱いだ。裁判所による再審開始決定に異議を申し立てる検察官抗告は、冤罪(えんざい)の救済を遅らせる最大の要因との批判が強く、9日の会議でも禁止を求める声が改めて相次いだ。法務省は「三審制の下で確定した判決を下級審の1回の判断で覆すのは不合理」との主張を崩していない。

記者会見する木原稔官房長官=9日午前、首相官邸

自民党法務部会、司法制度調査会の合同会議であいさつする同調査会長の鈴木馨祐前法相(奥中央)=9日午前、東京・永田町の同党本部