都会のビオトープを探検しよう!〜「三つ葉」の葉の数は?アメンボの匂いって?身近な自然を“ワンダーランド”に変える楽しみ方

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2024年10月13日 08:01  TBS NEWS DIG

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TBS NEWS DIG

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自然の中に広がる“生きものの暮らす場所”を意味する「ビオトープ」。
専門家とともに、東京・赤坂のTBS放送センターにある「ビオトープ」を探検し、
身近な自然がワンダーランドに変わる「ビオトープ」の楽しみ方を教わりました。

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匂いを嗅いで、見て、触って、五感で楽しむ

今回案内してくれたのは、ビオトープの専門家で自然や生き物と触れ合う教育プログラムやイベントなどを主催する株式会社ビオトープギルドの三森典彰さんです。

日比麻音子アナウンサー(以下、日比):
TBS放送センターの南玄関からビオトープまで早速ご案内いただきます。どんなところに注目していきましょうか?

三森典彰さん(以下、三森):
生き物のことを図鑑を見て名前だけ知るとかじゃなくて、五感を使って、鼻で嗅いでみたり、目で見るだけではなくて触ってみて、どんな触感なのか知ってみたり。その後、その生き物が「どういった暮らしをしているか」「どんな住処・場所に暮らしているか」を知るという視点を一般の方たちに広くお伝えしていきたいなと思っているので、今日は色々な角度から生き物たちを、専門的な知識がなくても楽しめる方法もちょっと交えながら観察できたらと思っています。

日比:ありがとうございます。正直な話、ここを通るとき私は大体下を向いて早足で歩いているんです。

三森:身近な自然にたくさん気づけるようになったら、そこはワンダーランドですよっていうのが僕の座右の銘なので、皆さんをそういったワンダーランドにちょっとお連れしたいと思います。

日比:よろしくお願いします。出勤の景色が変わりそうです!

クローバーの葉っぱの数は?

三森:僕らは植物であれば生え方とか葉っぱの形とかから見ていくんですね。例えば見た感じで、ザラザラしてそうだなとかツルツルしてそうだなって思うじゃないですか。まずツルツルしてそうだなと思って、触ってみて本当にツルツルか。へえ〜、ザラザラなのかとかね。そういったことを探してみたり。こちらにもかわいらしい植物がありますけども、例えばこの葉っぱ、まだ名前は言わないですけど、これって葉っぱ何枚あるように見えますか。

日比:3枚。

三森:3枚あるように見えますよね。

日比:はい。

三森:これ実は1枚なんですよ、正式には。

日比:え?これ私いわゆる三つ葉のクローバーだと思ってました。

三森:しかもこれクローバーじゃないんですよ。

日比:えっ?

三森:クローバーは専門的に言うと「三出複葉」、三つ出る複数の葉っぱで「三出複葉」というんですけど、1枚1枚は小葉っていって、小さい葉っぱ、これ合わせて、実は1枚の葉っぱなんです。

日比:ええっ?知らなかった。

三森:この小葉1枚1枚がハート形をしてるじゃないですか。クローバーはこんな切れ込みはないんじゃないかな。これは名前を言ってしまうとカタバミという植物なんですけど、この1枚1枚がハート形でかわいいっていうのを覚えていただけるといいかなと思います。

三森:(別の植物を)これもちょっとちぎって。嗅いだことある香りがするんじゃないかなと。スーパーで見たことないですか?

日比:(匂いを嗅ぐ)えっ?なんだろう、ピーマンみたいな。あ、あれだ。三つ葉だ。

三森:そうです、正解。

日比:へえ、ほんとだ。大きくなった三つ葉だ。

三森:ただこれも…。3つですか?本当に?

日比:ああ、そういうことか。これもしかして1枚のパターンですか?

三森:はい、三つ葉も本当は一つ葉なんです。

日比:へえ、三つ葉は三つ葉じゃないんだ。

三森:いちごも、あれ3枚の葉っぱに見えて一つの葉っぱなんです。枝豆、大豆、あれも3枚に見えて一つの葉っぱ、三出複葉の代表です。

日比:面白い。3枚(の葉っぱの数)は一度疑う方がいいですね。

アメンボの匂いは?

ビオトープにやってきました。TBSのビオトープは、美術の巨匠フンデルトヴァッサー氏がデザインした21世紀までの残り時間を示すモニュメント「21世紀時計」を取り囲むように作られています。

日比:私、久しぶりにこれ見ました、この池のところなんですけど。アメンボ?
 
三森:そうです、コセアカカメンボかな。ちょっと足短めのアメンボですね。この子たちはあんまり匂いしないんですけど、アメンボって大きなグループでいくと、カメムシの仲間なんです。アメ、べっこう飴みたいな甘い匂いがする、棒状の生き物。だから、アメンボウって言われてます。

日比:知らなかったです。

三森:なのでちょっと足が長くて、もうちょっと大きい種のアメンボをもし捕まえられたらぜひ鼻に近づけてですね、嗅いでいただくと、タガメなんかも、台湾のタガメとかはめちゃめちゃフルーティーな爽やかな香りがしたりして、サイダーになったりとかもしています。

飲んでいただきたい。

日比:え、飲みたーい。

ビオトープ探検の注意点。食べられる植物に似ていて毒があるものも!

三森:はい、ここね。フキだね。湿地の近くにある、食べられる植物の代表格。

日比:(香りを嗅いで)フキ〜!フキです。お浸しとか煮物とかにしたらおいしいだろうなあ。すぐつまみのことを考えちゃう。

三森:フキを塩揉みして、塩茹でして、刻んで炊き立てのご飯に混ぜるだけ

日比:わあ、おいしそう。

三森:めっちゃうまいです。これぐらいはっきりと特徴があって香りがするものとかはね、いいんですけど。例えば食べられる植物にめちゃめちゃ似ている毒があるものとかも。セリに対してドクゼリっていうのがあったりとか、あとニリンソウっていう山菜に対してトリカブトがあったりとか、結構危ないものがたくさんあるので、楽しむ一つの一助にはしていただきたいんですが、専門家と一緒に行くとか。ここにね、来れば食べ物があるっていうわけじゃなくて、やっぱりこういうのがあるよって認識をする、食べるためではなくてね。食べられるものがあるかもって思うことを、少しモチベーションにしてね、探すとかはすごく楽しいかなと。

三森:他にも、ここは今、許可というか、TBSさんの場所で、TBSさんとやってるんでいいですけども、誰かの土地に勝手に入ってブチブチ採ったりとか、場所のルールやマナー、モラルに反するようなこともね、最近は増えてきているらしいので。ちゃんと許可を取るか、そういったことが可能な場所、もしくはそういったイベントに参加してやっていただくとか、リスクマネジメントをして楽しんでいただけたらと思いますね。

日比:なるほど。というわけで今回、TBS放送センターの南玄関からビオトープまでいろいろと見てまいりましたが、もう何かワンダーランドでした。

三森:ワンダーランドでした?

日比:でした!

三森:よかった。そしたらもう、これから相当出勤が楽しくなりますね。

日比:はい、やっぱり下向いて、足早に通っているだけじゃもったいないって思いました。

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