石破首相、維新に傾斜=高校無償化「結論を期待」―国民民主と協議足踏み

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2025年02月04日 08:01  時事通信社

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衆院予算委員会で質問を聞く石破茂首相=3日午後、国会内
 石破政権が日本維新の会との協調路線に比重を移している。維新の看板政策である高校授業料無償化を巡り、石破茂首相(自民党総裁)は3日の衆院予算委員会で合意への期待感を表明。「年収の壁」見直しに向けた国民民主党との「自公国」協議が足踏みする中、2025年度予算案の今年度内成立に向け、党首間の個人的人脈も生かして決着を目指す考えだ。ただ自民と維新は「政治とカネ」で隔たりも大きく、思惑通りに進むかは見通せない。

 「所得が十分でなく教育の機会が享受できないことは絶対あってはならない。良い結論を期待している」。首相は3日の予算委で、自民、公明、維新3党協議の進展を望む姿勢を示した。

 昨年12月に始まった3党協議はこの日も開催。無償化を巡り、4月からの現行制度の所得制限撤廃などを求める維新と与党との溝はなお残る。予算委では「所得制限を付けると分かりづらくなる」と迫る維新の斎藤アレックス氏に、首相は何度もうなずき、「至急に論点を詰め、党総裁として役割を果たしたい」と合意形成へ指導力を発揮する考えをにじませた。

 首相が維新寄りの姿勢を強めるのは、国民民主との調整が停滞していることへの焦りも影響している。少数与党で臨んだ昨年の臨時国会では国民民主の協力を取り付けたが、25年度税制改正大綱で所得税の課税最低ラインの引き上げを「年収123万円」にとどめた自公に国民民主が反発し、協議は中断したままだ。

 3日の予算委では国民民主の浅野哲氏が「178万円」への引き上げを重ねて訴え、税収増の「国民への還元」を要求。首相は「国民にお返しする財政状況かと言えば、全然そうではない」と突き放した。首相と維新の前原誠司共同代表がかねて気脈を通じる仲であるのとは対照的に、自民・国民民主は党首間のパイプが太くない。玉木雄一郎代表は不倫問題で役職停止中でもあり、自民幹部は「誰が意思決定しているのか見えない」と指摘する。

 一方、企業・団体献金の扱いを巡る自民、維新の溝は深い。維新は全面禁止を訴えているが、自民は存続させる方針。3日の予算委で維新の青柳仁士政調会長が「自民は企業・団体に献金の見返りを与えたことはないか」と追及すると、首相は「公益に資するか議論するのが党の伝統だ」と反論。青柳氏は「そんなわけはない」と断じた。

 「今、正念場を迎えている。公約を必ず実現するんだという思いと姿勢、これが非常に重要だ」。維新の吉村洋文代表(大阪府知事)は3日の党会合でこう力説し、高校無償化や企業・団体献金禁止などの実現に強い意欲を示した。 

日本維新の会常任役員会であいさつする吉村洋文代表(左)。右は前原誠司共同代表=3日午後、大阪市中央区
日本維新の会常任役員会であいさつする吉村洋文代表(左)。右は前原誠司共同代表=3日午後、大阪市中央区

このニュースに関するつぶやき

  • 本当にバカだな。高校を無償にしても経済は回らない。どっちにしても財源の話になるだけじゃん。税収が減ることは言えてもここでの財源の話をしないなら矛盾でしょうにw
    • イイネ!7
    • コメント 2件

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