記者会見する林芳正官房長官=15日、首相官邸 知日派として知られ、要職を歴任した米国のアーミテージ元国務副長官の死去を受け、日本の政界関係者から15日、哀悼の意が示されるとともに、功績をたたえる声が相次いだ。
林芳正官房長官は記者会見で、「深い悲しみに包まれており、謹んで哀悼の意を表する」と述べた。日米の安全保障協力や北朝鮮の核開発などを挙げ、「先頭に立って対日外交に取り組み、今日のかつてなく強固な日米同盟に大きく貢献した」と強調した。
40年来の親交があり、自民党副総裁時代に集団的自衛権の限定行使容認論議を主導した高村正彦氏は取材に、「日米同盟が両国と地域、世界の平和の三方に価値があると、あの人ほどリアルによく知っていた人はいない」と評した。
中谷元防衛相は2001年の米同時テロ発生後に面会したことに会見で触れ、「厳しい国際情勢の中で日米同盟がいかにあるべきか示唆をもらった」と振り返った。今年1月にワシントンで面会した岩屋毅外相は「米国で党派を超えた対日理解の促進に貢献し続けた生前の活躍に改めて敬意を表する」とした弔辞を発出した。
アーミテージさんは日本の民主党政権時代も日米の橋渡し役を担った。かつて外相を務めた日本維新の会の前原誠司共同代表はX(旧ツイッター)に、意見交換を重ねたとして「アジア太平洋の平和と安定のためには日米、日米韓の関係が極めて大切だとの戦略的思考の持ち主だった」と投稿した。
立憲民主党の小川淳也幹事長は「一時期の日米関係に非常に大きな役割を果たした」と指摘。国民民主党の玉木雄一郎代表も「日米の安保関係強化に貢献した」と述べた。