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東京オリンピック・パラリンピックを巡る汚職事件で、組織委員会元理事への贈賄罪に問われた出版大手「KADOKAWA」(東京都千代田区)前会長、角川歴彦(つぐひこ)被告(81)は20日、東京地裁(中尾佳久裁判長)で開かれた被告人質問で、元理事側への賄賂とされる金銭の支払いについて「知らなかった」と述べ、改めて無罪を主張した。
起訴状によると、角川前会長は、KADOKAWA元専務と元五輪担当室長=いずれも贈賄罪で有罪確定=の2人と共謀。組織委元理事の高橋治之被告(81)=受託収賄罪で公判中=にスポンサー選定での後押しを依頼し、その見返りとして2019年9月〜21年1月、計約6900万円の賄賂を渡したとされる。
検察側はKADOKAWAが五輪のスポンサーを目指した背景には、前会長の意向が強く働いていると主張している。しかし、上下黒のスーツで出廷した角川前会長は、10年に代表権を持たなくなってからは「極力権限を持たないようにし、社長に人事権や(会社の)金庫の鍵も預けていた」と主張。五輪に対しても大きな魅力を感じていなかったとした。
また、検察側は、KADOKAWAが高橋元理事の知人の会社とコンサルティング契約を結んで金銭を支払い、社内では支払い前に法的リスクが指摘されていたとしている。これに対して、前会長はこうした契約や指摘を「知らなかった」「聞いたことがない」と淡々と述べた。
高橋元理事とは組織委であいさつし、その後会食したことは認めつつ、東京地検特捜部の取り調べを受けるまで、元理事が贈収賄の対象となる「みなし公務員」だったことは把握していなかったと訴えた。【岩本桜】
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