新人賞獲得から3年目 体育会系思考の23歳女優・菊池日菜子のモットーは「泥臭く身朽ちるまで」

1

2025年05月25日 11:10  まいどなニュース

  • チェックする
  • つぶやく
  • 日記を書く

まいどなニュース

体育会系思考の菊池日菜子(撮影:石井隼人)

80万部突破の人気小説を実写映画化した『か「」く「」し「」ご「」と「』(5月30日公開)に出演している菊池日菜子(23)。『月の満ち欠け』(2022年)では大泉洋と柴咲コウの娘役を演じ、第46回日本アカデミー賞新人俳優賞を受賞した。

【写真】「役者として身朽ちるまで」と話した菊池日菜子

それから約3年の歳月を経た現在。菊池は「いい意味で新人賞受賞の実感があまりないからこそ、泥臭くやれている」と不思議な言い回しで俳優業を捉えている。

潜在的なプレッシャー

母に電話で一報を伝えたことは忘れられない思い出だ。

「情報解禁時間ピッタリに母へ電話をかけて受賞を伝えた瞬間、お互いに号泣。母親に受賞の報告をしているというシチュエーションにグッと来てしまって…。『良かったね!これからも頑張ろうね!』と泣きながら励まされました」

福本莉子、生見愛瑠、松村北斗、目黒蓮ら今を時めく俳優たちと並んだ同賞。喜びは一瞬で、時間が経つにつれて襟を正される思いが強まっている。

「一緒に受賞された方々がそうそうたるメンバーだったこともあって、その一員になれた、同じ土俵に立てた、という実感がありません。同じ賞をいただいているのに私はまだまだなんだと突きつけられる瞬間も多々あるし、潜在的なプレッシャーも感じています。でもそんな気持ちを抱いているからこそ、泥臭く頑張れる自分がいます」

気だるさを痛々しさに

『か「」く「」し「」ご「」と「』では、マイペースで予測不能な行動を取る女子高生、黒田文(通称:パラ)役。菊池は多感な10代ならではの無敵感をまとうことで、本当の自分の心を隠す複雑なキャラクターに親近感を持たせた。

「演じる上で参考にしたのは、できます感を出さずともリーダー的な事ができてしまう男の子や先輩など、自分の学生時代にいたカッコいい人たち。パラは脱力系とまではいかないまでも、どこか気だるげ。それなのに実はひょうひょうと色々な事ができてしまう。パラにしてみたら、ダラダラして強がることが本音を隠す一番楽な鎧のまとい方だと思ったので、本心とは反対のリアクションをアウトプットしていきました。後々彼女の本心がわかった時に、その気だるさが痛々しさに見えたら面白いかもという引き算で演じました」

高校生の淡い青春感を無理なく醸成できたのは、主演の奥平大兼をはじめ、出口夏希、佐野晶哉(Aぇ! group)、早瀬憩ら近しい世代の共演者とすっかり意気投合できたから。

「程よく距離感が保たれていて、遠慮のいらない関係性を構築する事ができました。佐野さんとの重要なシーンでは1回で撮れた瞬間、どちらからともなくグータッチしたくらい。役者としてやることはやりつつ、美味しい差し入れが入ったら全員で情報共有。本編には私たちのアドリブが多く採用されている印象で、それは出演者5人のカメラ裏での良い空気感があったからこそ。ここまでアドリブ芝居がしやすい環境は初めてでした」

思考は体育会系

俳優生活5年目。本作公開に引き続き、今年の夏には初主演映画『長崎―閃光の影で―』の公開も控えて順調な歩みに見える。しかし本人の弁はこうだ。

「コロナ禍ですべてがストップした状況下の2020年に俳優業を始めたので、思うようにスタートダッシュが切れなくて。今も行き場のない悔しさと全速力を出し切れていない感覚が自分の中にあります。もっと経験を積んで常に命を削るような覚悟を持ち続けたい。役者として身朽ちるまで。基本的に思考が体育会系なので、表現が少し怖いかもしれないですが」と無邪気に笑う。

幼さ残る声色で紡がれるゴツゴツした言葉たち。「泥臭く」を標榜する俳優・菊池日菜子に慢心なし。

【菊池日菜子プロフィール】
きくち・ひなこ 生年月日2002年2月3日 福岡県出身 170cm 特技:モデルウォーキング・書道(師範資格有)・ハンマー投げ。2020年より女優活動を開始。第30回全日本高等学校女子サッカー選手権大会で初代応援マネージャーに就任。映画『月の満ち欠け』で第46回日本アカデミー賞新人賞を受賞。

(まいどなニュース特約・石井 隼人)

動画・画像が表示されない場合はこちら

このニュースに関するつぶやき

  • 新人賞から4年でも知らないな。
    • イイネ!1
    • コメント 3件

つぶやき一覧へ(1件)

ランキングエンタメ

前日のランキングへ

ニュース設定