衆院本会議で解任決議案が可決され、厳しい表情を見せる自民党の井林辰憲・衆院財務金融委員長(中央)=18日午後、国会内 衆院の井林辰憲・財務金融委員長(自民党)の解任決議が18日の衆院本会議で、立憲民主党、日本維新の会、国民民主党など野党各党の賛成多数で可決した。衆院によると、現行憲法下で衆院の委員長の解任決議が可決したのは初めて。参院選を控え、ガソリン税暫定税率の7月1日廃止を迫る野党と反対する与党との対立は異例の事態に発展した。
衆院は18日夕に改めて本会議を開き、後任の財金委員長を選任する手続きに入る。与野党はそれぞれ候補を立てる方針で、多数決になる見通しだ。
井林氏の解任決議案は立維国と参政、日本保守、社民の野党6党が提出。共産を加えた7党はガソリン税暫定税率の7月廃止に向けた法案を共同で提出しており、審議に応じない自民に対抗した。決議の採決は賛成237、反対221だった。
解任決議の採決では提出に加わらなかった共産党とれいわ新選組も賛成に回った。新委員長の選任を受け、野党各党は19日の衆院財金委で暫定税率廃止法案の趣旨説明を行いたい考えだ。立民の笠浩史国対委員長は18日、記者団に「暫定税率廃止へ向け、審議をきちっと行っていく」と語った。
ただ、22日の今国会会期末が迫り、参院に送付されても自民、公明両党が多数派のため可決・成立する可能性はほぼない。解任された井林氏は記者団に「数の力をかさに着た横暴を白日の下に知らしめた」と野党の対応を批判した。