暴走容疑で少年ら逮捕　信号無視や蛇行運転など　神奈川・平塚

　神奈川県警は19日、同県平塚市の国道交差点で信号を無視し、バイクで蛇行運転などをしたとして、道路交通法違反（共同危険行為など）容疑で、同市に住む会社員の少年（17）ら8人を逮捕し、7人を書類送検したと発表した。

　県警によると、少年らは15〜18歳で、平塚市を拠点にする暴走族「龍桜會」のメンバー。

　15人は2024年7月24日午後0時半ごろ、平塚市内の国道でバイク10台に分乗し、信号無視や蛇行運転などを繰り返して暴走した疑い。「一般車がどいてくれて信号待ちをしなくて良いので気持ちが良かった」などと、いずれも容疑を認めている。近くの川にバーベキューに行く際に暴走行為に及んだとみられる。

　県警暴走族対策室によると、メンバーは約20人。昨年夏ごろ、「集団で暴走している」との通報が市民から相次いでいた。当時総長だった少年は、「チームに入りたい少年には、（度胸試しのため）メンバーとケンカさせていた。ケンカも、暴走もバチバチにするチームにしたかった」と供述しているという。【横見知佳】

神奈川県警「暴走族諸君に告ぐ」

　全国的に見ても高い水準で、暴走族メンバーを抱える神奈川県。新型コロナウイルス禍で最盛期の約1割まで減少したが、その数は再び増加傾向にあるという。県警は暴走族が「匿名・流動型犯罪グループ（トクリュウ）」の人的供給源になっている可能性があるとみて摘発に力を入れている。

　2023年に全国で確認された暴走族は137グループで、把握された構成員は5850人。このうち神奈川はグループ数では全国2位、構成員の数でも3位だった。

　県内では、ピークだった1991年には4841人が確認された。2020年には540人と過去最少を記録したが、その後は増加に転じ、24年は20グループ、1031人だった。

　県警暴走族対策室の担当者は「人と違う改造バイクに乗りたい少年が一定数いるのは今も昔も変わらないのではないか」と分析する。

　「暴走族諸君に告ぐ　迷惑です！」「神奈川には暴走族はいらない！」。

　県警は6月を「暴走族追放強化期間」として、暴走族の動きが活発化する夜間を中心に県内の幹線道路などにある道路情報板にメッセージを出している。同室は交番の警察官らと連携。暴走族が集まるとすぐに実態把握することに努めており、森直樹室長は「強いメッセージを発信し、対策を強化していく」と話した。【横見知佳】