月最大70%の運用益をうたって出資を募り、現金をだまし取ったとして、警視庁生活経済課は9日、詐欺容疑で、自称投資家渡辺雄介容疑者(40)=札幌市白石区東札幌2条=ら男女3人を逮捕した。捜査関係者への取材で分かった。
同課は3人が2020年4月〜22年11月、約130人から現金で約2億4000万円、暗号資産(仮想通貨)で約6000万円相当を集めたとみて調べる。
出資者には株式投資や暗号資産などで運用すると説明していたが、実際に運用をした形跡はなく、外国為替証拠金投資(FX取引)や競馬などに費やしていたという。
逮捕容疑は21年10月〜22年9月、東京都内に住む50代の男女3人にうその投資話を持ち掛けて出資を募り、現金計7950万円を詐取した疑い。
捜査関係者によると、渡辺容疑者らは異業種交流会などで面識を得た知人に対し、実在しない投資会社の社員を名乗り、「本社はシンガポールで、東京に事務所がある」「創業7年で年間100億〜200億円の利益」「運用責任者は海外大手証券会社出身」と説明。元本保証の上で月15〜70%の運用益を出すと約束し、現金や暗号資産で出資を募っていた。
出資者には毎月、利益が出ているように装った偽の運用実績をメールで報告していた。一方、「相場に大きな動きがあり、利益を伸ばすために資金をロックする」などと理由を付け、出資金の返還や運用益の支払いにはほとんど応じなかった。