「該当作なし」となった第173回の芥川賞と直木賞=16日午後、東京都千代田区 第173回芥川・直木賞(日本文学振興会主催)の選考会が16日、東京・築地の新喜楽で開かれ、両賞共に該当作なしと発表された。両賞の該当作なしは1998年の第118回以来、27年半ぶりで、史上6回目。
芥川賞は4作、直木賞は6作がノミネートされていた。各賞の選考会終了後、選考委員による講評が、オンラインで都内の会見場につないで行われた。
芥川賞選考委員の川上弘美さん、直木賞選考委員の京極夏彦さんは、それぞれ「大変残念」と切り出した。川上さんは各候補作に文体などの「新しい試み」を認めつつ、「もう一踏ん張りが欲しい」と語った。京極さんは約4時間に及んだ選考会を振り返り、「難しい選考で議論も白熱した。いずれもレベルが拮抗(きっこう)し、突出して票を集めた作品がなかった」と説明。27年半ぶりの結果に、選考会場では「どういう星の巡り合わせか」という声が漏れたという。