大阪府泉佐野市がふるさと納税型クラウドファンディングで進める「えびす鰻」のブランド化事業の寄付募集ページ(同市ふるさと納税寄付サイトより) 大阪府泉佐野市がふるさと納税型クラウドファンディング(CF)で進める養殖ウナギのブランド化事業で、農林水産相の養殖許可証を巡って告発状が提出されるトラブルに発展していることが17日、関係者への取材で分かった。水産庁も事態を把握しており、「事実確認中」としている。
同事業では、市内で養殖したウナギを「えびす鰻」のブランド名で返礼品として出荷し、寄付者に届ける。寄付額はすでに目標の4375万円を超えた。
養殖に必要な農水相の許可証は養殖場ごとに必要だが、資源保護の観点から新規取得は難しい。そのため、CF事業の業者は許可取得者から譲渡を受けて養殖を始めた。
ところが、譲渡の仲介をしたと主張する男性側が6月、内水面漁業振興法違反容疑で業者に対する告発状を府警に提出した。告発状などによると、業者は昨年10月、奈良県で男性の下で養殖をしていたが、翌月ごろ、養殖場の変更申請をせずに泉佐野市で無許可で養殖を始めた疑いがあるという。
業者側は取材に「泉佐野市のCF事業に参加することは男性に伝えており、譲渡された許可証で養殖できると言われた。奈良県以外ではできないとは言われていない」と説明。許可証は男性に管理されていたが、今年に入って再交付の手続きを取り、養殖場の変更申請もしたという。
市の担当者は「返礼品は許可を得て養殖したもので、10月以降に出荷する予定」と話している。