「平和な街なのに」地域住民に衝撃 埼玉の老人ホーム殺人事件

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2025年10月16日 08:59  毎日新聞

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毎日新聞

規制線が張られた事件現場周辺の道路。中央奥の5階建ての建物が「若葉ナーシングホーム」=埼玉県鶴ケ島市で2025年10月15日午前9時31分、板鼻歳也撮影

 埼玉県鶴ケ島市若葉2の老人ホームで15日、入所者2人が死亡する事件があり、うち1人に対する殺人容疑で元施設職員が逮捕された。「事件なんてない平和な街なのに」。周辺の住宅街には早朝から救急車のサイレンが響き渡り、地域住民に衝撃が広がっている。


 事件は午前4時55分ごろ明らかになった。「入所者の高齢女性2人が血を流している」。老人ホーム「若葉ナーシングホーム」の女性職員からの110番を受けて警察が駆けつけたところ、4階と5階の別々の部屋で、高齢女性がベッド上で頭から血を流して倒れていた。2人は搬送先の病院で死亡が確認された。


 県警は、フードをかぶり、マスクを着けた姿で施設の防犯カメラに映っていた人物が事情を知っているとみて捜査。午前8時40分ごろ、施設近くにいた元職員の木村斗哉(とうや)容疑者(22)=熊谷市箱田4=を発見し、2人のうち小林登志子さん(89)を刃物で切りつけるなどして殺害したとして殺人容疑で緊急逮捕した。


 現場は東武東上線若葉駅の南約200メートルで、「市役所通り」に面した5階建ての施設。周囲は低層の戸建て住宅が多い。


 現場近くに住む50代女性は「午前5時半ごろ、救急車と消防車が施設前に止まって騒ぎに気付いた。上の階に明かりがつき、心肺蘇生をしている様子が見えた。ただごとではないと思った」と声を震わせた。


 事件の一報を受け、午前中には多くの報道陣が現場付近に詰めかけた。取材に応じた60代女性は「施設の前は駅に行く時によく通る。このへんは治安が悪い印象はない。こんな大きなニュースは初めて」と言う。近くのマンションに住む80代女性は「事件が起きるなんて信じられない。このあたりは平和な街だったから」と驚いた様子だった。


 県警は西入間署に53人態勢の特別捜査班を設置。詳しい経緯や動機の解明を進める。【板鼻歳也、加藤佑輔、仲村隆】



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  • 「平和な街なのに」そんな幻想を言われてもなぁ。
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