
老人ホームの部屋で入所者の女性2人が死亡した事件。逮捕された元職員の男が「暗証番号を入力してカギをあけ、侵入した」と供述、職員だった頃に知った情報を駆使して犯行に及んだとみられることが分かりました。
記者
「木村容疑者を乗せた車両が西入間警察署から出てきました」
きょう送検された木村斗哉容疑者(22)。車内では顔を伏せ、その表情はうかがえません。
きのう、埼玉県鶴ヶ島市の老人ホームで入所者の小林登志子さん(89)と上井アキ子さん(89)が血を流して倒れているのが見つかり、その後、死亡。警察は小林さんを殺害したとして、木村容疑者を逮捕しました。
およそ70人が入所する老人ホームで起こった事件。施設を利用したことがある人は…
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施設を利用したことがある人
「スタッフの温かい雰囲気がよかった。本当にみんな驚いています。悪い評判は聞かなかった。私も紹介して、あそこに入所された方もいる」
この施設で去年7月まで職員だった木村容疑者。「元職員だからこそ知る情報」で施設へ侵入したことが明らかになりました。
『4桁の暗証番号を入力して、出入り口の鍵を開けて建物内に入った』
当時、女性2人はそれぞれ4階と5階にいました。部屋にたどり着くまでには暗証番号が必要な場所が複数ありましたが、暗証番号はすべて同じ。木村容疑者が勤務していた去年7月から変わっていなかったということです。
さらに、事件があった午前2時ごろに勤務していたのは、職員1人。警察は勤務の中で知った情報をもとに、人が少ない時間をねらって侵入したとみています。また、小林さんには刃物による傷もありましたが、小林さんの死因が首を絞められたことによる窒息死だったことがわかりました。
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木村容疑者は動機については明確に供述していない一方で、小林さんと上井さんの名字をあげて殺害を認める供述をしているということで、警察は2人を狙った可能性があるとみて動機などを追及しています。