2026年F1第16戦バーレーンGP(マレーシア開催) アンドレア・キミ・アントネッリ(メルセデス)に仕掛けるマックス・フェルスタッペン(レッドブル) 10月4日、2026年F1第16戦バーレーンGPの決勝レースが行われ、マックス・フェルスタッペン(レッドブル)がポール・トゥ・ウインで今季初優勝/自身通算72勝目を飾った。2位にアンドレア・キミ・アントネッリ(メルセデス)、3位にルイス・ハミルトン(フェラーリ)が続いた。
ホンダ製パワーユニット(PU)を搭載するアストンマーティン勢のフェルナンド・アロンソは今季ベストの8位で今季3度目の入賞。ランス・ストロールは12位で5戦ぶりの完走を果たした。
中東情勢を鑑み、当初4月に予定されていたバーレーンGPはマレーシアのセパン・インターナショナル・サーキットに舞台を移して開催が実現した。バーレーンが主催となるため、名称はバーレーンGPとなるが、9年ぶりのマレーシア・セパンでのF1開催となる。
フォーメーションラップ開始まで40分となる現地時間14時20分ごろより、サーキットに雨が降り始めた。時間が経過するにつれて雨足は強烈に強まり、主催国バーレーンと開催地マレーシアの2国の国歌が演奏される直前に、悪天候に伴うスタートディレイが公示された。
雨はなかなか弱まらず、フォーメーションラップは当初の予定から40分遅れで開始されることに。小雨がパラパラと落ちるなか、スタートタイヤは全車が浅溝のインターミディエイト(グリーン)を履いた。
セーフティカー(SC)先導でフォーメーションラップが開始された。そんななか、2番グリッドスタートのハミルトンがセクター3でスローダウンし、バックストレートでストップ。ソフトウェア系のトラブルだったようで、ハミルトンはすぐに再始動が叶った。
ただ、そのハミルトンのスローダウンに付き合わされた複数台の車両がバックストレートでストップし、フォーメーションラップ中に赤旗が提示され、全車ピットに戻った。なお、この赤旗で長時間の中断となり、その間に雨は完全に止み、路面も徐々に乾き始めた。
当初の開始予定から1時間33分遅れとなる現地時間16時33分、レースはSC先導で開始されることが決まった。レース開始時点で気温26度、路面温度35度、湿度89パーセントとなる。
そんななか、22台中13台がドライタイヤに交換。上位勢では2番手ハミルトンと4番手シャルル・ルクレール(フェラーリ)、9番手ピエール・ガスリー(アルピーヌ)、10番手ガブリエル・ボルトレート(アウディ)はソフトタイヤ(レッド/C4)に交換。ランド・ノリス(マクラーレン)、オスカー・ピアストリ(マクラーレン)はミディアムタイヤ(イエロー/C3)に履き替えた。
ただ、ドライタイヤを履くには早すぎたようで、ガスリーはスピンを喫してしまう。また、セルジオ・ペレス(キャデラック)はピットに入り、ドライタイヤからインターミディエイトに履き替える状況だった。
レースは3周目にスタンディングスタートとなるなか、その直前に6番手ピアストリ、10番手ボルトレート、14番手ストロールは直前にインターミディエイトに履き替えている。
2台のメルセデスはスタート直後の蹴り出しで他を圧倒し、アントネッリが首位に浮上。2番手ジョージ・ラッセル(メルセデス)、3番手フェルスタッペン、4番手リアム・ローソン(レーシングブルズ)、5番手アイザック・ハジャー(レッドブル)のオーダーに。
路面はまだまだ濡れており、インターミディエイトのままレース開始を迎えた9台、スタート直前に履き替えた4台がポジションをキープ。1周あたり20秒近く遅れるドライタイヤ勢は、わずか1周でインターミディエイト勢に半周以上のギャップを開けられる大惨事となった。
6周目のターン4でフェルスタッペンがラッセルをかわし2番手に浮上。スタートで遅れたフェルスタッペンだったが、レースペースは最も良かった。また、6周目のターン15ではハジャーがローソンをかわし4番手に浮上する。
フェルスタッペンは8周目からアントネッリとテール・トゥ・ノーズの戦いを繰り広げる。一方、この時点でインターミディエイトのアントネッリと、76秒遅れのドライタイヤ首位/15番手のノリスのタイムがほぼ同じとなる。
ただ、この9周目にソフトタイヤを履くバルテリ・ボッタス(キャデラック)がスピンを喫しグラベル上でマシンを降りた。これでSC導入となり、インターミディエイト勢は全車ここでドライタイヤに履き替えた。
このSC中の上位オーダーとタイヤは、首位アントネッリ(ミディアム)、2番手フェルスタッペン(ソフト)、3番手ラッセル(ミディアム)、4番手ハジャー(ソフト)、5番手ローソン(ハード)、6番手オコン(ソフト)、7番手リンドブラッド(ハード)、8番手サインツ(ソフト)、9番手ボルトレート(ソフト)、10番手ピアストリ(ソフト)、11番手ストロール(ハード)となった。
13周目にリスタートを迎えると、ソフトタイヤを履くフェルスタッペンは難なくアントネッリをかわし首位に返り咲く。また、その間隙をついてラッセルがアントネッリをかわし2番手に浮上した。一方、リスタートの際にボルトレートと交錯したサインツが18番手までポジションを下げることに。
16周目よりオーバーテイクモードが解禁されるが、その時点でフェルスタッペンはラッセルに1.7秒のギャップを広げており、その後も毎周広がりを見せる。タイヤコンパウンドの違いもあるとはいえ、今季最強のメルセデス勢がフェルスタッペンに引き離される展開となった。
一方、12番グリッドスタートのアロンソはミディアムタイヤでスタートしたことで大きくポジションを下げたが、SC中にハードタイヤに履き替えると、19周目にストロールに続く14番手までポジションを戻す。ただ。2台はほぼ同タイムで周回を続けており、アロンソはチームメイトをかわすことができない。
21周目時点で首位フェルスタッペンと2番手ラッセルは4.1秒差となった。ラッセルと3番手アントネッリは、1秒以内でランデブーを続けたが、21周目のターン4でアントネッリがラッセルをかわし2番手に浮上。徐々にラッセルとのギャップを広げにかかった。
そんななか、スタート時にドライタイヤを履いたことで大きく出遅れたハミルトンは、ドライコンディションで好ペースを刻み続け、22周目にはローソンを易々とかわし5番手まで返り咲いた。ただ、4番手ハジャー(ソフトタイヤ)とは11秒差が開いていた。
レース後半に入った28周目、フェルスタッペンの履くソフトタイヤはデグラデーション(性能劣化)も穏やかで、メルセデス勢に8.2秒のギャップを築いてクルージング状態となった。
一方でチームメイトのハジャーはペースが上がらず、5番手ハミルトンに迫られる展開に。32周目、4番手ハジャーと5番手ハミルトンが同時にピットインすると、2台は1.9秒差でコースに復帰した。
33周目に3番手ラッセルが、34周目に首位フェルスタッペンと2番手アントネッリがソフトタイヤに履き替えた。この時点でフェルスタッペンとアントネッリは10.7秒差、アントネッリとラッセルは3.2秒差だった。
一方、アロンソは35周目にストロールを攻略すると、続けて36周目のターン4でオコンをかわし11番手に浮上。その時点で10番手リンドブラッドとは1.2秒差だった。アロンソのペースはかなり良く、38周目にはリンドブラッドの1秒以内に入り、オーバーテイクモードを得る。
40周目、アロンソはターン1〜2の攻防の末にリンドブラッドをかわし入賞圏内の10番手に浮上した。ただ、アロンソの1.4秒背後にはソフトタイヤを履くヒュルケンベルグが接近する。アロンソが今季3度目の入賞を果たせるかが注目された。
43周目、アレクサンダー・アルボン(ウイリアムズ)がギヤボックストラブルでコースサイドにストップし、バーチャル・セーフティカー(VSC)導入に。このVSC中に首位フェルスタッペン、5番手ハミルトンが新たなソフトタイヤに履き替えた。
フェルスタッペンのピットインの翌周(VSC中)にアントネッリ、ラッセル、ハジャーも追従してソフトタイヤに履き替えた。そんななか、46周目にVSCはSCに切り替えられ、VSC中にタイヤを変えなかったドライバーもこのSC中にタイヤを履き替えている。
これでオーダーは首位フェルスタッペン、2番手アントネッリ、3番手ラッセル、4番手ハジャー、5番手ハミルトン、6番手ルクレール、7番手ピアストリ、8番手ノリス、9番手ローソン、10番手アロンソ、11番手ヒュルケンベルグ、12番手リンドブラッド、13番手ストロールとなった。
周回遅れのペレスが隊列に追いつかず、SCは長引いた。そんななか50周目のターン1で3番手ラッセルがストップ。チームからアントネッリへの無線によるとPUトラブルだったようだ。また、同じくターン1ではノリスがピアストリに追突しかけてコースオフを喫し11番手に後退。これでアロンソは8番手に浮上した。
レースは残り4周となる52周目に再開され、スーパースプリントバトルが開始された。ターン1〜2でローソンがピアストリを先行するが、続くターン3でピアストリが6番手を取り戻す。そんななか、ハミルトンは53周目のターン1でハジャーをかわし、セパン・インターナショナル・サーキットは大歓声が巻き上がった。
フェルスタッペンはファステストを更新し、53周目時点でアントネッリに1.3秒のギャップを開ける。また、ハジャーは54周目のターン1でルクレールに先行され5番手に後退する。
一方、アロンソの背後にはノリスが接近する。戦力差は大きいはずのマクラーレンとアストンマーティン・ホンダだが、アロンソは自己ベストを更新して8番手死守に動く。最後まで手に汗握る接戦が続いた。
55周目を終え、フェルスタッペンがポール・トゥ・ウインで今季初優勝/自身通算72勝目を飾った。なお、フェルスタッペンはファイナルラップに1分38秒220というこのレースのファステストを記録している。2.307秒差の2位にアントネッリ、4.919秒差の3位にハミルトンが続いた。
以下、4位ルクレール、5位ハジャー、6位ピアストリ、7位ローソン、8位アロンソ、9位ノリス、10位リンドブラッドまでがポイントを獲得。アロンソはノリスの猛追をしのぎ、今季ベストかつ今季3度目の入賞となる8位で4ポイントを持ち帰った。ストロールは12位となり、5戦ぶりの完走を果たした。
次戦となる2026年F1第17戦シンガポールGPは、10月9〜11日にマリーナベイ市街地サーキットで開催される。
[オートスポーツweb 2026年10月04日]