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私達日本人は、子どもの頃から「場の空気を読め」「察しなさい」などと言われて育ちます。それで、大人になっても”場の空気を察して周囲から浮かないようにする”ことが、習慣化していますよね。
海外でも、場の空気を察することはもちろんあります。しかし、日本ほど社会で最重要視はされていません。
というのも、海外では察したり周りに合わせたりすることより、自己主張が重要視されるからです。よって、どんどん日本が国際化していくと、このようなコミュニケーションは時代遅れになる危険があります!
そこで今回は、これからの時代に合った、場の空気を察するのではなく、うまく”コントロール”する方法をご紹介します。これは、職場からママ友の集まりまで応用できる方法なので、ぜひ活用してみてくださいね!
■1:会話に敬語と非敬語を混ぜる
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まずは、自分の主張が受け入れられやすくなる方法の紹介です。
会話の中に敬語と非敬語を混ぜる話法を使うと、親しみが増して相手が反論できない空気を作り出せます。これは、作家の冷泉彰彦さんが提唱する『コード・スイッチ』という手法です。
実は、このテクニックは小泉元首相やみのもんたさん、あの金八先生も使っていました! ドラマ『3年B組金八先生』でも実際に使われた、具体例はこちらです。
「あのね、立派な人になんかにならなくてもいいの(非敬語)。
感じの良い人になって下さい(敬語)。」
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金八先生は非敬語で親近感を持たせ、敬語で説得をしています。敬語だけの場合と違って、何だか距離が近く感じませんか?
■2:すぐに賛成意見を述べる
グループで何か決め事があるとき、「賛成!」と早めに言うと、さくっと決まりやすくなります。
誰かが意見を発表した直後は、反対意見が出る傾向がありますよね。一度反対意見が出た後は、反対意見が続いて結論がまとまりにくくなります。
よって、もし自分と近い意見を発表している人がいたら、”反対意見が出る前に賛成する”というのがうまくいく方法のひとつです。
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また、自分が意見を発表する際は、先に根回しをして、自分の意見の後すぐに誰かに賛同してもらうこと。こういったことが、反対意見の連鎖を防ぐのに効果的となります。
これは、アメリカの心理学者スティンザーが30年かけてまとめたデータの結果、『スティンザー効果』と言われています。
■3:雑談力をつける
人は雑談によって「自分のことを理解してもらえた」と思うと安心して、相手の言うことを受け入れやすくなります。すると、結果的に話し手ではなく、聞き手が場を支配できてしまうのです。
だから、ビジネスやママ友との会話での雑談力をつけるには、聞き上手になることから始めるといいです。話題に困る場合は、会う相手の情報を事前に調べておき、雑談のネタを収集しておくのもアリ。
場の空気が悪くなってから修正するのは大変なので、雑談によってあらかじめ、和んだ雰囲気を作っておきましょう。
■4:”理由付け”をする
誰かの意見に「賛成できる」と思ったとき、「それ、いいね」と言うのはグッとこらえてみましょう。理由を付け足して、「●●だから、いいね」と言ってみてください。
例えば、ママ友が数人で集まって、子どものパーティのケーキ選びをするとします。そんなときは、こう言うといいです。
ママ友:「私はチョコアというショップのケーキがいいと思うけど、どう思う?」
あなた:「そうだね〜。あそこのケーキを子どもの誕生日会で食べたことがあるけど、生地がふわふわでチョコレートが濃厚だから、みんなに好評だったんだよね。いいんじゃない?」
このような会話をすると、結果的に前者の意見が採用されたとしても、後者の意見の方が人の印象に残ります。
なぜかというと、意見に理由付けをした人の方が注目を浴びるからです。つまり、”みんなが具体的に納得できるような理由を説明して賛成する”だけでその場の主役になれるので、ぜひ試してみてください。
■5:キーパーソンを活用する
例えば、グループで集まっているときに、なんとなく雰囲気が悪くなったとしましょう。
その場合、実は”一人のキーパーソン”がその空気を作っていることが多いです。ネガティブな感情を出す人が一人いると、その空気がその場を支配してしまいます。
このとき、悪い空気を吹き飛ばして新たな空気を作り出すには、自分が新たなキーパーソンになることがひとつの方法です。
なぜかというと、”その場の空気を作り出しているキーパーソンの影響力が低下し、他のキーパーソンの影響力が上がることでしか場の空気は改善されないから”です。
もし勇気があれば、嫌な空気を作り出しているキーパーソンに直接指摘しましょう。それが難しい場合は、次にキーパーソンとなれそうな人に話しかけて、新たな空気を作り出すのもいいでしょう。
また、それすら難しいようであれば、差し障りのない理由をつけて、一旦その場を離れることもいいです。
一旦退席して、戻ってきてすぐに「いや〜、自販機が壊れていてジュースが買えなかったよ!」などと雑談をしてみてください。すると、みんなの緊張が一気に解けるかもしれませんよ!
以上、場の空気をうまくコントロールする方法でした。いかがでしたか?
例えば、雑談はふだん自然にやっていることですよね。でも、”雑談力を高める”ことは、最近では経営者も注目する社会的スキルとなってきています。
筆者は海外就労・在住体験中、日本人の察する能力の素晴らしいと実感しつつも、場の空気を”作る”ことは苦手なように感じました。それで、少しでもみなさんに苦手意識を克服してほしいと記事にしたのです。
場の空気の主導権を取ると、相手が外国人、日本人にかかわらず自分の意思が受け入れられやすくなります。また、「周りに合わせすぎて疲れた」というような、つまらないストレスも減ります。
よって、これからの時代に”コントロールする方法”はとても必要です。私達の察する強みを生かしつつ、そこに新しい空気を作り出すスキルが加われば、鬼に金棒ですよね!
ぜひ、場の空気を”察する”から”作る”へ意識を向けてみてください!
【参考】
※ 金八先生の名言から学ぶ!教員志望者に贈る「言葉」 Part.1 − 教員ステーション
※ スティンザー効果 − 岐阜心理カウンセリングルーム
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