「私は2年後、AKB48にいない」 峯岸みなみと加藤玲奈が明かす、グループの世代交代と今後

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2014年11月07日 07:10  リアルサウンド

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峯岸みなみ(左)と加藤玲奈(右)。

 AKB48の活動を追ったドキュメンタリー映画『DOCUMENTARY of AKB48 The time has come 少女たちは、今、その背中に何を想う?』が、11月7日にBlu-rayとDVDでリリースされる。同作は2014年7月4日にTOHOシネマズ 六本木ヒルズほか全国128館で公開し、大ヒットを記録した『DOCUMENTARY OF AKB48』シリーズの最新作をパッケージ化したもの。初期メンバーの卒業や次世代メンバーの成長によって加速する世代交代、大波乱の結果に終わった2013年の選抜総選挙、2014年の大組閣、そして先日行われた「37thシングル選抜総選挙」も収録された密度の濃い内容に仕上がっている。今回リアルサウンドでは、劇場版公開時に行った柏木由紀、島崎遥香、高橋みなみ、渡辺麻友のインタビュー(参考:AKB48渡辺麻友ら中心メンバーが明かす、最新グループ事情「大組閣後、良い方向に向かっている」)に続き、同作でも頻繁に登場する「新生チーム4」のキャプテン・峯岸みなみと、メンバーの加藤玲奈にインタビューを実施。大島優子の卒業がグループに与えた影響や、チーム4を率いる上での期待と苦悩、そして峯岸には自らの“卒業”をテーマに大いに語ってもらった。


・「私にとってのAKB48は、前田さんがいて優子さんがいるグループでした」(加藤)


――『DOCUMENTARY of AKB48 The time has come 少女たちは、今、その背中に何を想う?』は、シリーズ第4作目にあたり、2013年〜2014年前半などが収められています。今作で特に印象に残っている部分はどこでしょう?


峯岸みなみ(以下、峯岸):この作品では大島優子の卒業が描かれていますが、やはりメンバーからしても優子の卒業は大きくて…。初期のころからいる私たちや、後輩メンバーにとってもかなり影響を受けた存在である優子の卒業ということに対する他メンバーの反応も見て欲しいです。


加藤玲奈(以下、加藤):私にとってのAKB48は、前田(敦子)さんがいて優子さんがいるグループでした。だから、前田さんの卒業もショックでしたし、優子さんの卒業を聞いたときは、AKB48の顔がいなくなってしまう気がして、これからもグループを盛り上げていくためにはどうすればいいか」と考えるようになりました。


――今作では、前作に収録されている「チーム4の解体」のその後、「新設チーム4の結成」もひとつのテーマとして描かれています。“峯岸チーム4”を除いた、正式なチーム4として解体と結成を経験した加藤さんがどう感じているのか教えてください。


峯岸:それ聞いたことない。れなっち(加藤)、どうなの?


加藤:(チーム4解体について)どういう理由か明確なことは知らないんです。でも、前のチーム4では色んなことを学ばせてもらったし、9期生の先輩もいました。旧チーム4やチームBは先輩についていくという形だったのですが、新しいチーム4は、後輩が多いチームなので、「自分がメンバーとして、プラスになることができるのか? 本当に私でいいのか?」という不安な気持ちだったこともありました。


――今はどうでしょう。


加藤:後輩とコミュニケーションを取れるようになったし、一人ひとりと話していると「この子はこういう悩みを抱えてるんだな」と分かるようになってきました。後輩を見ていても、パフォーマンスの躍動感や元気さなど、自分に足りないものを沢山持っているので、学ぶことは沢山ありますね。


峯岸:れなっちはすごく正直な子なので、考えが透けて見えるというか、ある意味で分かりやすい性格なんだろうなって思っています。“峯岸チーム4” は、全員研究生から始まってがむしゃらにやってきたので、そこに新たに「新生チーム4」として入ってきたメンバーは戸惑うだろうし、前のチーム4を知っているぶんその頃の感覚を引きずっている部分もありました。れなっちがやる気を持ってくれてるのは伝わる。彼女は全力で踊っていても、そう見られないことが多いんですが、チーム4で一緒にやるようになってから、れなっちの汗を見る回数が増えた気がするので、嬉しく思います。


・「チーム4のメンバーは第二の同期や娘みたいなもの」(峯岸)


――2013年、2014年は『大組閣祭り』や『選抜総選挙』と、新生チーム4にとっては初めての出来事が続きました。チームを率いる峯岸さんの目に、若手メンバーの反応はどう映りましたか。


峯岸:若い子だらけのチームなので他のメンバーと違って、一緒にやってきたメンバーとチームが離れて活動するということを味わっていなかったぶん、どのチームよりも衝撃が大きかったと思います。私も結成から半年経って、チームが良い感じになっている時に組閣が起こったことに対しては、勿体ないような、寂しいような気もしていました。でも、彼女たちは私の言うことを信じて一緒にやってきたところがあるので、私が気丈に振る舞っていれば「あ、大丈夫だ」って思ってくれるんじゃないかなって。とにかく安心させるための言葉をかけたし、正直、本音じゃないことも沢山投げかけました。


――いち個人の感情よりも、グループを鼓舞することに徹したと。


峯岸:本音を言ってしまうと寂しいけど、それを私が言ってしまうと「そうだよね」と収集がつかなくなるので、嘘をついてでも安心させようと思って話しました。初めてキャプテンを務めたチームでしたし、研究生になってからの期間を一緒に過ごしてきて、第二の同期みたいな感覚や、自分の娘みたいに思えるところがどこかであったので、思い入れが強いぶん寂しかったです。


――劇場公開版では、主に2013年前半〜2014年のことが描かれています。Blu-ray&DVDには特典として「A to Z」やディレクターズカット版が入っていたり、補完や補足にもなると思うのですが、改めてこのパッケージ化にあたって、2013年前半〜紅白までの間に起こった印象的な出来 事を振り返ってもらえますか。


加藤:2013年の総選挙で圏内に入れなかったことが、自分の中では大きな出来事です。期待されているぶん、総選挙って本当にイヤで(笑)。圏内に入らなきゃいけない立場なのに入れなかったのが悔しくて、高橋朱里ちゃんと帰りのバスで号泣して、その日の全部を涙で出したってくらい泣いた記憶があります。そのときは「来年頑張ろう」とも思えないくらい悔しかった。でも、今年は2013年に出来なかったことをやろうと思って、総選挙についても、自ら発言とかもあまりせずに、「総選挙がんばりまーす」くらいの感じだったんですけど、今年は圏内に入らなければ卒業することも考えていたくらいです。


峯岸:2013年は…自分が世間を騒がせてしまった出来事から始まったので、人生においても絶対忘れない1年になりました。本当に、そこから学んだことも多くて、研究生に降格になったことで、劇場公演の大切さを改めて実感しましたし、同期が家に頻繁に来て励ましてくれていました。と同時に、同期や秋元才加などがどんどん卒業して新しい道を歩んでいるなか、自分はまた研究生からスタートする現実に愕然としました。でも、そこで出会った研究生と同じチームになれたし、真っ暗な中で少しずつ光が差してきて、それが本当に大切なものだったり、今まで当たり前だったことがありがたく感じられる機会だったし、人に沢山感謝をした年だったなと思います。


・「いつかAKB48じゃなくなるんだったら、少しでも早い方がいいかも」(峯岸)


――峯岸さんは過去に「アイドルには寿命がある」といった発言もされてますよね。最近は大島優子さんの卒業や、小嶋陽菜さんの卒業時期に注目が集まっていたり、峯岸さんが一つのタイミングと言っていた「10周年」(2015年12月8日)に近づいたことにより、1期生の卒業がすぐそこに迫っているように感じられます。


峯岸:陽菜はいつもヤフーニュースに上がってますよね(笑)。これまでも卒業について聞かれることは何度もありましたけど、どこか漠然としていて、なんとなくで答えてたんです。でも、色んな仲間の卒業や後輩の躍進を見て、特に去年から今に掛けては、現実的に卒業を考えるようになりました。アラサーの人が結婚をすごく意識し始めるのと同じ感じなんですかね(笑)。卒業が自分の身近に迫っている感覚があって、それに伴った恐怖もありますし、AKB48という冠が無くなった自分はどこで必要とされるんだろうっていう不安もあります。でもいつかAKB48じゃなくなるんだったら、少しでも早い方がいいかもと感じますし、25歳、26歳までいるよりは、早いうちに新しい道を選んだほうがいいのかなと。3年後はいないし、2年後もいないんじゃないかなって思います。


――加藤さんは10期のメンバーとして、先輩の卒業や、後輩メンバーの台頭が気になるところではあると思いますが、この勢いは“追われる側”から見てどう思いますか。

加藤:5年目に入って、『若手』って言われるのもなんだか複雑になってきました。だけど年齢はみんなと同じくらいなので、先輩って言うほど先輩でもないし、後輩でもないし(笑)。私自身にはフレッシュさは求められてないと思うので、頑張って「AKB48の顔」って言われるくらい有名になれたらなって思います。


――10周年を迎える2015年は、AKB48において特別な1年になると思いますが、そこへ向かって、チーム・グループをどうしていきたいですか。


峯岸:グループとしては、誰もが知っているメンバーはこれから続々と卒業を考えていく時期だと思うんですが……。今の若手にはこれからのAKB48を支えてくれそうなメンバーが沢山いるので、その子たちがもっと伸び伸びと自分の主張やキャラを発揮できたり、キラキラできるような環境を先輩として作っていきたい。そして、その子たちが輝いた時に、卒業した立場として、キラキラしたAKB48を見ていたいなって思います。次世代のAKB48には、自分たちの番組を作れるくらいになっていて欲しいし、私はそこにコメンテーターみたいな感じで呼ばれるくらい、一人の芸能人として活躍したい。


加藤:AKB48グループとしては、今と変わらずアイドルの頂点的な存在として活躍したいなと思うし、姉妹グループの勢いもすごいから、AKB48本体もその勢いに負けないように、しっかりと支えて頑張っていきたいです。


(取材・文=中村拓海)



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  • 本店に、人材が集まらなくなっているのは確か。支店でもSKEは同じ状況ではあるが、NMBとHKTは、人材の宝庫。そのあたりがどうなるかだね。
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