私たちはまだ本当の「バイラルメディア」を知らないのかも

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2015年01月02日 21:10  FUTURUS

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FUTURUS

FUTURUS(フトゥールス)

2013年末ごろからよく耳にするようになった“バイラルメディア”。もともとは海外で注目されたワードで、米国の『Buzzfeed』というサイトがロールモデルだと言われている。

そこで今回は、バイラルメディアが一体どういうものなのかをざっとおさらいしてみたい。

数千万「いいね!」は当たり前

バイラルとは「ウイルス性の」という意味で、検索エンジンからのアクセスを主眼としたこれまでのwebメディアとは異なり、人の「共有したい」という欲求をくすぐるような記事の構成、編集が特徴である。

検索エンジンのbotではわからない読者の「面白い」、「感動した」、「なるほど!」といった感情で口コミを生み出しがら、文字通りウイルスのように記事が拡散していく。

しかし、国内のバイラルメディアは、そのあまりにシンプルな記事の構成やメディア同士によるネタの引用・孫引きなどが仇となり、一気に炎上する事態にまで発展してしまうケースが多かった。

一方、米国のバイラルメディアは順調に成長しており、『Buzzfeed』の2014年始めのデータでは、ひと月のFacebookのいいね!が2,115万、シェアが1,307万と驚異的な数字を記録している。

国内の類似サイトと本家『Buzzfeed』には一体どんな違いがあるのだろうか?

本家Buzzfeedは初めから「シェア」を狙っていた

バイラルメディアの特徴であるリスト記事や目立つシェアボタン、バナー広告に頼らないマネタイズ手法などは、もともと『Buzzfeed』創業者ジョナ・ペレッティの「何がアイデアを広めるのか?」という問いから始まったのだそうだ。

そして同社のスコット副社長はインタビューで「『Buzzfeed』は記事を読んでもらうだけでなく、その後に他人と共有してもらうことを目的としている」と言い切っている。

『Buzzfeed』のスタートは2006年。最初から『シェア』を狙って考えられたメディアだったのかもしれない。

また、2次・3次ソースからの記事が目立つ今日のWebメディアにおいて、『Buzzfeed』はあくまでも独自コンテンツの提供にこだわっており、世界各地に約200名のジャーナリストおよび編集担当者を持つそうだ。

動画コンテンツではCNNと提携し週3本ほどのオリジナル動画を作成。ニューヨークタイムズとは、大統領選の生中継で共に手を組み成功している。ほかにも、調査報道や読み応えのある長文記事などにも力を入れており、各分野の有力な人物を同社に迎え入れている。

ついに2015年に国内版をリリース予定

こうしてみると、知っていたはずの「バイラルメディア」の印象ががらりと変わる。感動話やお笑い、バラエティ動画、社会問題から政治まで、まるでTVの番組表を眺めているような気がしてくるのは私だけだろうか。そして、そのほとんどがオリジナルコンテンツだというのだからヒットするのも頷ける。

Buzzfeedは2015年春を目処に、いよいよ日本語版をリリースする予定だ。この巨大な新興メディアは、日本のユーザーにどう映るのだろうか。

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