JKビジネスで働く女子高生が「補導」された・・・「逮捕」とどう違うの?

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2015年01月17日 13:01  弁護士ドットコム

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女子高生による接客サービスをウリにする「JKビジネス」が問題視され、業者の摘発があいついでいる。業者だけでなく、そうした店で働いている女子高生が警察に「補導」されるケースも、たびたびメディアで報じられている。


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こうした報道に対して、ネットでは「そもそも補導って何?」という疑問をコメントしている人もいる。弁護士ドットコムの法律相談コーナーにも「逮捕と補導の違いは何でしょうか?」という質問が寄せられている。



そもそも「補導」とはどんなもので、「逮捕」とはどう違うのだろうか。刑事手続きにくわしい荒木樹弁護士に聞いた。



●「逮捕」と「補導」は目的や内容が違う


「今回は、20歳未満の少年に対する、警察活動としての『補導』について説明します。これは『逮捕』とは全く異なるものです」



荒木弁護士はこう話す。どう違うのだろうか?



「まず『逮捕』とは、犯罪の嫌疑がある人の身柄を、強制的に拘束することです。



一方、『補導』は、対象となる少年が身柄拘束されるわけではありません。警察署まで同行させられることはあるかもしれませんが、これはあくまで本人の自由意志で、本人の意に反して強制連行されているのではない、ということになっています



なぜなら補導は、非行防止や少年の健全育成を目的に行われているものだからです。違法行為をした少年だけでなく、深夜徘徊・飲酒喫煙などの不良行為をした少年も対象です。さらに、場合によっては犯罪被害や虐待を受けた少年も、補導の対象となります。



補導の内容はケースバイケースで、事件捜査の場合もあれば、本人・保護者に対する注意・指導・助言や、学校などの関係機関への連絡の場合もあります。必要に応じて、支援・保護の措置がとられる場合もあります」



●根拠になる「法令」も違う


逮捕と補導は、その内容や目的が違うようだ。ほかにも違いがあるのだろうか。



「逮捕は『刑事訴訟法』という法律に基づいて、厳格な手続のもとで行われます。たとえば、逃亡や証拠隠滅のおそれがないと逮捕できませんし、逮捕していられる時間も48時間に限定されています。



一方、補導は法律ではなく『少年警察活動規則』という内閣府の国家公安委員会が決めたルールに基づいて行われています」



さらに、細かな運用は、都道府県警察が定めている部分もある。警視庁(東京都)の場合、高校などに在籍する少女がJKリフレなどで働いている場合、不良行為少年として補導対象にしているという。



荒木弁護士は「いわゆる『JKビジネス』は、少年の健全な育成を害する『有害業務』にあたると考えられるので、補導の対象となっているのです」と話していた。



(弁護士ドットコムニュース)



【取材協力弁護士】
荒木 樹(あらき・たつる)弁護士
釧路弁護士会所属。1999年検事任官、東京地検、札幌地検等の勤務を経て、2010年退官。出身地である北海道帯広市で荒木法律事務所を開設し、民事・刑事を問わず、地元の事件を中心に取扱っている。
事務所名:荒木法律事務所
事務所URL:http://obihiro-law.jimdo.com



このニュースに関するつぶやき

  • 社会一般の愚民の発想だと逮捕=実名報道される処罰だから補導との落差が大きく感じられるんだろうねえ。
    • イイネ!1
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