【アニメキャラの魅力】勇者の中の勇者！ポジティブ少女「結城友奈」の魅力とは？『結城友奈は勇者である』

『結城友奈は勇者である』は、『君が主で執事が俺で』や『アカメが斬る！』で知られるクリエイター・タカヒロ原案のオリジナルアニメで、名匠・岸誠二監督とシリーズ構成・上江洲誠のコンビにより制作されました。作品のテーマは「勇気」。今回ご紹介する主人公の「結城友奈」は、そのテーマを体現するキャラクターです。


【※一部、ネタバレの内容を含む可能性が御座います。ご注意下さい。】


■真の勇者

　友奈が所属する「勇者部」は、地域のボランティア活動をおこなう部活です。しかし、「勇者部」の真の姿は、部長の「犬吠埼風」が、世界を守る「勇者」の素質をもった少女たちを集めるためのものでした。

　人類の敵「バーテックス」が現れ、「勇者」に選ばれたことを風から知らされた友奈たち。襲い来る異形の敵に怯える親友の「東郷美森」を連れて逃げていた友奈は、バーテックスに狙われていることを気づいて勇者に変身して東郷さんを守る決意をします。

「誰かが傷つくこと、つらい思いをすること、みんながそんな思いをするくらいなら、私ががんばる！」

　他人のために尽くすと言いながら、実はそれは自己実現の口実であったり、何かからの逃避であるというキャラクターも多い中、他者のために無私の心でがんばるという友奈の勇気は本物で、しかもまったくブレません。友奈の武器はその拳。それは、友奈の勇気の表れでもあるのです。

■ポジティブ少女

　「なせば大抵なんとかなる」という「勇者部五箇条」を信奉する友奈は、ほんとうに天真爛漫でポジティブな少女です。しかし、それは何も考えていないアホの子ということではありません。常に前向きに、つらいこと、大変なこともポジティブに捉えられる、中学生とは思えない強靭な心を持っています。

　勇者システムには、強化型形態の「満開」というフォームが隠されていました。「満開」をおこなうと、身体の機能のどこかが「散華」と称して、この世界の神である「神樹」に捧げられます。友奈の場合は味覚を失いましたが、そうなっても歯ごたえやのどごしなど味覚以外の感覚で食事を楽しんでいます。

　元勇者の「乃木園子」に呼び寄せられ、“散華によって失ったものは治らない”と知らされた友奈と東郷さん。友奈はそれでも「なるべくあきらめない」という勇者部五箇条を挙げ、東郷さんを優しく抱きしめ、なんとかする方法を見つけると誓うのでした。

■大好きなみんなと一緒なら

　そんな友奈も、世界の真実を知り、自分のために世界を滅ぼそうとする東郷さんを前にして、なぜそこまで思いつめるまで何もできなかったのか？と自分を責めます。精神の動揺によって変身できなくなってしまう友奈。勇者の一人「三好夏凜」は、友奈のかわりに満開を重ねて戦ったために、視力と聴力を失ってしまいます。その夏凜に「東郷を救えるのは友奈だけ」と言われ、友奈は再び変身を果たし、神樹を破壊せんとバーテックスを導く東郷さんの前に立ちふさがります。

　「いっしょに消えてしまおう」という東郷さんは、友奈にまで攻撃を加えてきます。それを満開して迎え撃つ友奈は、東郷さんを殴り飛ばし、そして抱きしめて、ずっとそばにいて忘れないと誓い、やっと東郷さんを止めることができました。東郷さんが放ったバーテックスを止めるため、友奈はさらに満開をおこない、ついに世界を救います。戦いの後、散華により失われた仲間たちの機能は少しずつ戻って行きましたが、友奈だけは廃人のようになってしまいます・・・。

　その後、いつまでも回復しない友奈を前に、東郷さんが叫んだ「いっしょにいてくれるって言ったじゃない！」の言葉に、友奈の心は現実に引き戻されました。元気になった友奈が得ていたのは、大好きなみんなと一緒ならどんなことも乗り越えられるという、更に強い心でした。

　意図してそのように作られたとは言え、友奈は近年まれに見る「ヒーロー」でした。自分の力で日常を取り戻した友奈。あとは東郷さんと末永く幸せになってほしい。そう願うばかりです。



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【原稿作成時期の都合により、内容や表現が古い場合も御座いますがご了承下さい】


★記者：玄Kuro（キャラペディア公式ライター）

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