もしも大都会で満点の星空が見えたなら……妄想を視覚化した合成動画が美しい

2

2015年05月10日 20:02  Pouch[ポーチ]

  • 限定公開( 2 )

  • チェックする
  • つぶやく
  • 日記を書く

Pouch[ポーチ]

写真

あなたは、「光害(light pollution)」という言葉を、聞いたことがあるでしょうか。

「光害」とは、過剰または不要な光による公害のこと。夜空が明るくなることで、天体観測に障害をおよぼす。あるいは生態系を混乱させたり、エネルギーの浪費の一因にもなっている光害は、人口が密集したここ日本においても、深刻な問題です。

【光害が存在しない大都市の光景】

そんな光害が、もし存在しなかったら。都市の風景はどのように変わるのか。東京のような大都会の空においても、迫り来るような、こちらへ向かって降り注いでくるかのような星空を、目にすることができるのかもしれない。

【舞台はロサンゼルスなのだけれど……】

この願望を見事視覚化したのが、動画サイトVimeoに投稿されていた作品、「SKYGLOW」。アーティストの Gavin HeffernanさんとHarun Mehmedinovicさんによって制作された同作の舞台は、米ロサンゼルス。都市部の光害の影響や危険性を探求するために行われたというこちらのプロジェクトによって生まれたのは、実在する光景ではありません

【空と風景、双方まったく別の場所で撮影されたもの】

ロサンゼルス都市部の写真と、北アメリカ付近の空の写真。この2つをタイムラプス化、その後合成し作られたのが、「SKYGLOW」にて展開される景色なのです。

【まぶしさが、より光害の存在を思い起こさせる】

観る者すべてを圧倒する、光の洪水。ビルや看板から漏れ出る光も、夜空をまばゆく照らし出すの星々の光も、どちらも負けず劣らずまぶしくて、美しすぎて。でも同時に、光害のない世界を、想像せずにはいられなくなるのよね。

【発想の元となったのは「闇」をフィーチャーした写真シリーズでした】

ちなみに同プロジェクト、2010年にフランスの写真家Thierry Cohenさんが公開した写真シリーズ「Darkened Cities(ダークシティ)」に触発された結果、生まれたもの。都市に存在する明かりを全て消したら、どのような風景が広がるのか、それをデジタル写真で表現した同シリーズ。「SKYGLOW」は、こちらとはまた異なるアプローチですが、「闇」ではなく「光の過剰さ」をもって光害を表現したことは、私たちにまた新たな光の側面を垣間見せてくれた気がします。

それではお待たせいたしました、光に満ち満ちたその全貌を、ごゆっくりお楽しみくださいませ!

参照元: Vimeo 、Flickr
執筆=田端あんじ (c)Pouch

この記事の動画を見る

    アクセス数ランキング

    一覧へ

    前日のランキングへ

    ニュース設定