「私こそミスター自民党だ」「歯止めはあるのか」安保法案反対の村上議員が会見

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2015年06月30日 16:31  弁護士ドットコム

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与党・自民党の所属議員であるにもかわらず、安全保障関連法案に反対の立場を表明してきた村上誠一郎衆議院議員が6月30日、東京・有楽町の外国特派員協会で記者会見を開き、「国会で議論されればされるほど、問題点や矛盾が出てきている」と政府の対応を批判した。


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村上議員は会見の冒頭、「これまで、集団的自衛権を可能にするためには、憲法改正しかないと申し上げて来た」と強調。「大多数の国民、学者から、違憲法案であるとのコンセンサスを得ている。強引に突破することは、日本の将来、民主主義に大きな禍根を残すのではないかと心配している」と話した。



さらに、「来年から18歳が投票権を持つようになる。我々は、これまで若い皆さんに『立憲主義を守れ』『三権分立を守れ』と教えてきた。憲法は国家権力が暴走しないためにある。若い人に『立憲主義を守れ』といいながら、天下の自民党がそれを破るようなことをすれば、若い人に不信感をもたせるのではないかと危惧している」と語った。



●「踏みとどまって考える必要がある」


また、憲法学者の小林節・慶應義塾大学名誉教授らが、今回の法案が通れば「違憲訴訟」が起きるのではないかと指摘している点にも言及した。



「この法案が通っていけば、違憲訴訟が連発されることになる」。ところが、村上議員が自民党総務会で「違憲訴訟で違憲判決が出たらどうするのか」と質問しても、納得できる回答が得られなかったという。



そのため「我々のオヤジ(元自民党衆議院議員の村上信二郎氏)の時代には、法案を出すときは、あらゆる方向から質問がでても、パーフェクトに答えられる法案しか出さなかった」として、法案について「踏みとどまって考える必要がある」と熟考をうながした。



●なぜ「ミスター自民党」が反対するのか?


村上議員はさらに「戦前において、(国会は)日本の軍部の独走をとめられなかった。この法案で、独走をとめる歯止めはあるのか」と批判した。



「国会承認という手続きはあるが、現在のように与党が圧倒的多数であれば、イージーに通る。残念ながら、戦前に失敗したように(国会は)暴走を食い止める歯止めにはならないのではないかと危惧している。



党内でこのように申し上げるのは、なかなか大変なことだ。しかし、次の世代は財政も経済も金融も社会保障も大変だ、そのうえに(法案が通れば、自衛隊に)地球の裏側まで行ってもらう。誰が次の世代のことを考えてあげられるのか。



私は(選挙に)10回連続通って、一度も自民党を出たことがない。私こそが『ミスター自民党』だと考えている。我が自民党、そして日本が誤った道に進まないように、このように申し上げている」と話した。


(弁護士ドットコムニュース)


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