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近年、人間ドッグなどの健康診断で、肝機能に異常を抱えていると診断される人の増加が報告されている。1984年に約10%程度だったのが2009年には約25%と、25年間で約3倍に膨れ上がっているという。こうした肝機能の低下は、よく知られている飲酒のほかにも、食事、運動不足や睡眠不足、そして老化といった要因が関係していることが分かっている。
そんななか、体内の解毒酵素や抗酸化酵素の生成を促進し、継続的な摂取によって肝機能を改善してくれるという天然の化学物質『スルフォラファン』が注目を集めている。いったいどんな物質なのだろうか。
肝臓の解毒酵素の働きを活性化
代謝、解毒、胆汁の生成・分泌と、人体の臓器の中でひときわ重要な機能を担うひとつである肝臓。この3大機能のひとつである“解毒”は、体内外で日々発生する有毒物質を解毒する機能だが、この能力に欠かせないのが“解毒酵素”だ。解毒酵素の力が弱まると有毒物質が体内に蓄積され、それによって肝機能が低下し、肝臓疾患リスクも生じるという。
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ブロッコリーの新芽『ブロッコリースプラウト』を噛みつぶすことで生成される『スルフォラファン』には、この解毒酵素の働きを活性化させる効果があるのだ。呼吸や食事で体内に取り込んでしまった有毒物質に対して、身体に元来備わっている解毒酵素を増産するスイッチを活性化することで、解毒を促すという仕組みだ。
肝機能マーカーが改善されたという試験結果
昨年11月には、東海大学医学部付属東京病院の副院長・教授の西崎泰弘氏を中心とする研究グループとカゴメが、『スルフォラファン』を継続的に摂取することで肝機能が改善されることを、γ-GTPなどの肝機能マーカーの値が高い男性を対象とした試験において明らかにしたと発表。
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試験では肝機能マーカーの値が高い被験者を2群に分け、片方の群には『スルフォラファン』の前駆物質である『スルフォラファングルコシノレート(SGS)』を含むサプリメントを、もう一方の群にはSGSを含まない『プラセボ』を摂取してもらった。すると、スルフォラファン群では、主要な肝機能マーカーの値が統計学的に有意に改善したいっぽう、プラセボ群では変化が見られないという結果になった。こうした、ヒトを対象に『スルフォラファン』の肝機能改善効果を示した報告は、世界初だということだ。
このように解毒酵素を活性化し、“解毒力”を促進してくれる『スルフォラファン』だが、アメリカの研究ではガンを抑制することも可能なほどの強力な効果も報告されている。
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解毒作用、抗酸化作用、抗炎症作用などの肝臓が持つ防御機構を高めてくれる『スルフォラファン』。ブロッコリースプラウトは、最近では日本でも見かけることが多くなり、レシピサイトにも簡単においしく食べれる調理方法が多く掲載されている。スルフォラファン以外にもビタミンA・C・E、鉄分やカルシウムといった豊富な栄養素を含んでおり、ぜひとも日常の食生活に取り入れたいところだ。